「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名　ヴィークステージ世田谷千歳船橋

[所在地] 〒156-0055 東京都世田谷区船橋３丁目１７−７

 標高・地形

●標高は約41m～42m、敷地の大部分は台地です。
●敷地の南東側一部が「凹地」となっています。凹地は、昔、水が通っていた跡ですので、地盤が少し悪い場合があります。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率”1.43″です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8″以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6″以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南方の凹地に存する調査地点では、
▼深度約5mまではN値1の非常に柔らかい地層が続きます。
▼それより下はN 値40ほどの固い地層となります。
▼支持層に到達するのは、深度16mほどになるようです。
●表層面は非常に柔らかいので良い地盤とはいえませんが、比較的浅い部分から固い地層となり、支持層がさほど深くないので、マンション用地として悪い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

●東側敷地境界の辺りに約0.4mの浸水可能性が指摘されています。
●敷地部分に大きな影響を与えることはないと思われますが、敷地の東側は昔の水の通り道なので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

●2006年2月竣工の中層RC造建物(地上9階建)です。
●施工会社は、スーパーゼネコンの「清水建設」です。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

●西側で幅員約6mの区道に接面している中間画地です。
●西側接面道路は一方通行路であり、系統連続性は”やや劣る”と判断します。
●ただ、非常時に一方通行は関係なく、接道状況に問題はないため、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「船橋3丁目」の地域危険度は“２”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、船橋3丁目は5件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●高校が東側で隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

●表層地盤増幅率が良好な台地に位置し、周辺のボーリング調査も悪くありません。
●浸水可能性が指摘されているのは、敷地の境界付近です。
●中層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況に問題はなく、火災時の災害リスクは低いでしょう。

⇒表層地番増幅率が良好な台地に位置し、周辺のボーリング調査も悪い結果ではないため、地盤リスクは低いと判断します。その場所に建つ中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。浸水リスク及び火災リスクも低いため、防災力を“レベル５”とします。(５段階評価で５が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。