【防災力:4】ヴィークコート赤塚新町

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ヴィークコート赤塚新町

[所在地] 〒175-0093 東京都板橋区赤塚新町1丁目20−8

防災力 Level 4
地盤 []傾斜地、ボーリング調査がいま一つ
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []少し縦長だが、シンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約31m~34m、台地の端にある傾斜地に位置します。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
また、東側隣地及び北側道路との境界に高低差があるため擁壁を設置しており、擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.61″です。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
北側で近接する調査地点では、
深度9m過ぎまでN値1~4の柔らかい地層が続きます。
一旦固くなりますが、深度14m前後でもN値3~4の地層が挟まります。
支持層の深さは、19m過ぎのようです。
深度9m過ぎまで柔らかい地層が続き、支持層も浅くはないので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約1.2mの浸水可能性が指摘されています。
内水氾濫の浸水深としては大きな数値です。
東京都下水道局が公開している「下水道台帳」を見ても、この箇所に水が集まる理由は判然としません。
対象地の東方は凹地となっており、周辺の土地と比較して標高が低くなっています。敷地の東側には、指摘箇所の浸水深より高い擁壁を築造しているので、大きな浸水リスクはないと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2017年2月竣工のRC造地上13階建です。
施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「アイサワ工業」です。
西側の棟は、少々縦長ですが、シンプルな形状なので、損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

西側区道(幅員約10.9m~11.4m)に接面する中間画地です。北側(幅員約1.5m~2.5m)にも通路(区道)があるので、角地のような接道状況です。
西側区道は片側一車線が整備された道路で、川越街道(国道)との接続も容易であり、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「赤塚新町1丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、赤塚新町1丁目は24件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

台地の端に位置する、擁壁を築造している傾斜地です。
ボーリング調査もあまり良い結果ではありません。
約1.2mの浸水可能性が指摘されていますが、指摘箇所には擁壁があるので、敷地への浸水リスクは低いでしょう。
西側の棟は少し縦長ですが、シンプルな形状なので、損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

擁壁を築造している傾斜地で、ボーリング調査もあまり良い結果ではないので、地盤リスクをある程度見込みます。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。