【防災力:4】パークホームズ志村坂上

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 パークホームズ志村坂上

[所在地] 〒174-0056 東京都板橋区志村1丁目3−15

防災力 Level 4
地盤 []液状化、ボーリング調査はいま一つ
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []全体的にはどっしりした形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約22m~23mの台地に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.41″です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
表層に問題はないものの、深度約6m~7mにN値0~2の柔らかい地層が挟まる地点があります。
その下に固い地層も挟まりますが、N値10前後の地層が深度約30mまで存在します。
柱状図に支持層までの記載がなく、支持層の深さは把握できません。
浅い部分に柔らかい地層が存在する可能性があり、支持層も深いので、地盤が良い場所とはいえません。
また、地下水位の下に、砂質の地層が存在する地点が多いので、液状化の可能性は否定できません。
ボーリング調査からは、表層地盤増幅率が良好であることの根拠が見出せませんでした。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の周縁部に約0.1mの浸水可能性が指摘されていますが、地形や標高から見て、敷地全体に大きな影響はないものと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2004年12月竣工のRC造地上10階建です。
施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
全体的にはどっしりとした形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

北東側(幅員約6m)、南西側(幅員約6m)、北西側(幅員約6m)の3本の区道に接面する3方路地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
中山道(国道17号線)への接続は容易なので、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「志村1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、志村1丁目は23件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が良好な台地に位置しますが、「液状化の可能性がある地域」に該当します。
周辺のボーリング調査も良い結果ではありません。
大きな浸水リスクはないでしょう。
全体的にはどっしりとした形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」に該当し、ボーリング調査も良い結果ではないので、地盤リスクを無視できません。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。