【防災力:3】アトラス江戸川アパートメント

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 アトラス江戸川アパートメント


[所在地] 〒162-0814 東京都新宿区新小川町6−18

防災力 Level 3
地盤 []ボーリング調査は良好
浸水 []氾濫浸水区域内で、約2.9mの浸水可能性
建物 []複雑な形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高4mほど、神田川流域の谷底低地に位置します。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.56”です。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、深度6mほどまでは沖積層の影響がみられる非常に柔らかい層となっていますが、深度7m~10mほどで支持層に到達する場所が多いようです。
支持層が浅いので、マンション適地といえます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

神田川流域で、最大約2.9mの浸水可能性の指摘があります。
敷地は、赤い線で表示される「神田川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置し、河岸よりも標高が低くなっています。
神田川が氾濫した場合には、想定を超える浸水被害となる可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2005年4月竣工のSRC造地下1階地上11階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「竹中工務店」です。
建物は、上から見ても横から見ても複雑な形状です。シンプルな形状の建物と比較したら、多少の損傷リスクを認めます。

 接面道路

西側区道(幅員約7m~9m)に接面する中間画地です。
目白通り(都道)と近接しており、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「新小川町」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、新小川町は12件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

沖積層エリアに該当しますが、表層地盤増幅率は標準的です。
ボーリング調査結果は良好です。
氾濫浸水区域内に位置し、約2.9mの浸水可能性が指摘されています。
少し複雑な建物形状であることから、多少の損傷リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

沖積層エリアに該当しますが、ボーリング調査は良好なので、地盤リスクは低いと判断します。神田川の氾濫浸水区域内に位置し、約2.9mの浸水可能性が指摘されていることから、浸水リスクは大きいです。建物形状が複雑であることから、多少の建物損傷リスクを加算します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。