【防災力:4】ローレルアイ恵比寿ピアース

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ローレルアイ恵比寿ピアース

[所在地] 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目30−1

防災力 Level 4
地盤 []谷底低地だが、近隣のボーリング調査結果は悪くない
浸水 []渋谷川流域に隣接し、想定を超える浸水可能性あり
建物 []少々縦長かつ複雑な形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約10m~12mの谷底低地(一部台地)です。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

対象地付近における、表層地盤(地表近くの地層)の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は” 1.46”となっています。
都区内では低い方の数値であり、上の表記とは矛盾しますが、地震の際の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
西方にある同地形(谷底低地)のボーリング調査地点の柱状図をみてみると、深度4mほどでN値50の地層となります。N値50が連続するのは深度11mほどより深い地層ですが、そこまでの地層もN値40ほどの層が少し混在するくらいで、N値50超の層が過半を占めます。当該地点は、マンション用地として悪くない地盤です。
同じく、渋谷川流域の谷底低地に存する複数のボーリング調査地点の柱状図を見ても、深度5m~6mほどでN値50の地層となる場所が多く、対象地周辺の谷底低地エリアに大きな地盤リスクはないのではないかと推察します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の過半部分に約0.6mの浸水可能性の指摘があります。渋谷川河岸と標高差が2mほどありますので、大きな浸水被害が発生する可能性は低いと思いますが、敷地の北東側には「河川が氾濫した場合の浸水区域」を示す赤線が隣接しています。
渋谷川流域といっていい立地なので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2013年1月に竣工したRC造地上14階建です。施工会社は、マンション建設に実績のある「東レ建設」です。
建物形状は、少し縦に長く、上から見ると少々複雑になっていますが、リスクを感じるほどではありませんので、建物が大きく損壊するリスクは低いのではないかと判断します。

 接面道路

北側区道(幅員約6m)、西側区有道路の2本の道路に接面する2方路地です。
北側接面道路は、一方通行路で東方に幅員3m未満の箇所がありますが、その狭くなっている箇所も建物は敷地後退が済んでおり、緊急車両の通行に際しては問題がないものと判断します。
北方の明治通りへのアクセスは容易ですが、前面道路が一方通行路なので、系統連続性は普通とします。
接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第9回:令和4年9月公表)」によると、「恵比寿1丁目」の地域危険度は“1”(※)となっており、災害に対して強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、恵比寿1丁目は66件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”となっています。

 本マンションの総評

埋没谷エリアに該当しますが、表層地盤増幅率は良好です。
周辺のボーリング調査結果からも、大きな地盤リスクの兆候は見られませんでした。
渋谷川流域に接するので、想定を超える浸水被害はあり得ます。
建物は少々縦長かつ複雑な形状ですが、2013年竣工のRC造建物であり、大きな建物損壊リスクはないと判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

表層地盤増幅率が良好で、周辺のボーリング調査も悪くないので、大きな地盤リスクはないものと判断します。ただ、浸水リスクはそれなりに見なくてはならず、地盤もマイナスがない訳ではありませんし、建物も横長のシンプルな形状の建物と比較すると、わずかながら損傷リスクはあるので、これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。