【防災力:5】グランノア杉並上井草
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 グランノア杉並上井草
1.大地震が発生しても安全か
| 対地震 | Level 5/5 (リスク小) |
| 地盤ハザード | [5/5]該当なし |
| 地盤増幅率 | [4/5]良好 |
| ボーリング | [4/5]概ね良好 |
| 建物 | [5/5]2005年竣工の低層RC造建物 |
| 【対地震の評価】 [地盤] ●表層地盤増幅率が良好な台地に位置し、ボーリング調査も概ね良好な結果なので、地盤リスクは低いと判断します。 〔建物〕 ●2005年に竣工した低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。 〔対地震総評〕 ●地盤リスクが低いと推察される場所に建つ、低層RC造建物なので、大きな地震の際でも被害が生じる可能性は低いでしょう。 |
[所在地] 〒167-0023 東京都杉並区上井草2丁目27−9他
標高・地形
| 標高 | 47m超 |
| 地形 | 台地 |

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
地盤ハザード(災害危険)エリア
| 液状化 | 該当なし |
| 沖積層 | 該当なし |
| 埋没谷 | 該当なし |
| 急傾斜等 | 該当なし |
表層地盤増幅率
| 表層地盤増幅率 | 1.48 |
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8″以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●東方にある同地形(台地)の調査地点では、
▼深度7mほどまでN値1~2の柔らかい地層が続きます。
▼深度11m過ぎにN値30を超えます。
▼深度12mまでしか表記がなく、支持層の深さは把握できません。
●周辺にある調査地点では深度9m~10mほどでN値30を超え、支持層が9mほどの深さにある地点もあります。
●浅いうちに固い地層となり、支持層も比較的浅いようなので、地盤に問題はないでしょう。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
建物
| 築年 | 2005年2月竣工 |
| 構造 | RC造地下1階地上4階建 |
| 施工会社 | フジタ |
| その他 | - |
●本件建物の建設時期は、バブル崩壊で経営難に陥ったフジタが再建中の時期と重なります。ただ、経営難の時期に比べれば、再建中の方がまともな仕事が期待できると思いますし、新築時のデベロッパーである藤和不動産等の監理能力も含めて、特に問題がないと判断します。
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か
| 対水害 | Level 4/5 (大きな浸水リスクなし) |
| 標高 | 47m超 |
| 地形 | 台地 |
| 浸水深 | [内水氾濫等]約0.9m |
| 【対水害の評価】 [標高・地形] ●標高47m超の台地に位置します。 〔浸水深〕 ●敷地の一部に0.9mほどの浸水可能性が指摘されています。内水氾濫のリスクにしては少し大きな数字です。 〔対水害総評〕 ●標高・地形や下水道台帳を確認する限り、大きな浸水リスクがあるようにはみえません。 ●浸水可能性の指摘は、用途地域における制限(最高高さ10m)の限度内で4階建にするために、地下部分を掘削した影響だと思われます。(公開情報のみでの推察です) ●想定を超える大雨が降った場合には、地下部分を中心に内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。 |

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
3.その他の災害リスク
| その他 | Level 5/5 (特段の災害リスクなし) |
| 接道状況 | 良好(3方路地及び4方路地) |
| 系統連続性 | 良好 |
| 地域危険度 | 災害に強い地域 |
| その他 | - |
接面道路
[ノースコート]四方を区道で囲まれた4方路です。北側接面道路(幅員11m超)以外は一方通行路ですが、幅員は5m超~11m超と十分な広さがあります。
[サウスコート]北・南・西を区道で囲まれた3方路です。いずれも一方通行路ですが、幅員は5m超~10m超と充分な広さがあります。
●東方にある環八通りとの接続は容易であり、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「上井草2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。

※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、上井草2丁目は20件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
4.本マンションの総合評価
| 総合 | Level 5/5 |
| [対地震] | Level 5/5 (リスク小) |
| [対水害] | Level 4/5 (大きな浸水リスクなし) |
| [その他] | Level 5/5 (特段の災害リスクなし) |
【地震リスク】
地盤リスクが低いと推察される場所に建つ、低層RC造建物なので、大きな地震の際でも被害が生じる可能性は低いでしょう。
【水害リスク】
標高・地形や下水道台帳を確認する限り、大きな浸水リスクがあるようにはみえません。
【その他リスク】
特段の災害リスクなし
⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル5”とします。
(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。
《評価時点》2025年9月
