【防災力:4】プラウド久我山

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 プラウド久我山

[所在地] 〒168-0082 東京都杉並区久我山1丁目5−21

防災力 Level 4
地盤 []隣接地のボーリング調査結果があまり良くない
浸水 []川筋と標高差がほとんどない
建物 []2003年竣工の低層RC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性は概ね良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約46m~49mの傾斜地(地形的には切土地)です。
南方にある川筋(標高48mほど)と標高差がほとんどありませんが、台地を削った切土地であると推定されるので、台地同様の地形と考えます。
敷地には約3mの高低差がありますが、大規模な擁壁等の築造は見られず、傾斜地リスクは大きくないものと推察します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.64”です。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
東側接道付近にある調査地点を見ると、
表層はN値3以上あるようです。
ただ、深度7mほどでN値0の地層があり、それ以降一旦固い地層となりますが、深度15m~16mほどで再度N値11~14の少し柔らかい地層となるようです。
柱状図の表記が25mまでしかなく、それまでに支持層に到達していないので、支持層の深さは25m超であるようです。
表層面に問題はなさそうですが、途中で柔らかい地層が挟まり、支持層も深いようなので、マンション用地として地盤が良い場所とはいえません。ただ、地震の際に揺れが大きくなるようなリスクも感じません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に0.6mほどの浸水可能性が指摘されています。
敷地の東側の浸水想定エリアは、南方の昔の川筋から浸水エリアが続いており、予想外の大雨の際には、ハザードマップの想定を超える可能性も考えられます。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2003年10月竣工の低層RC造建物(地下1階地上4階建)です。施工会社は、準大手ゼネコンの「安藤・間」です。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。

 接面道路

北側及び東側接面区道は幅員約5.5mと、必要十分な広さがあります。
ただ、この接面区道しか使える道路がないともいえるので、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「久我山1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、久我山1丁目は2件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が標準的な、台地を削り造成した切土地(傾斜地)に位置します。
ボーリング調査は、深刻なリスクはないと思いますが、良い結果ではありません。
0.6mほどの浸水可能性が指摘されており、南方の昔の川筋と浸水エリアが繋がっています。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

表層地盤増幅率は標準的なレベルですが、隣接したボーリング調査地点の結果はあまりよくなく、地盤リスクを多少感じます。浸水リスクは、大きな被害には繋がらないと思うものの、昔の川筋に繋がっているので無視できません。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。