【防災力:5】ジェントリーハウス品川大井

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ジェントリーハウス品川大井

 

1.大地震が発生しても安全か

地震に比較的強い

対地震 Level  4/5 (大きなリスクなし)
地盤ハザード [3/5]「埋没谷」に該当
地盤増幅率 [0/5]かなり高い
ボーリング [4/5]概ね良好
建物 [4/5]どっしりとした形状
【対地震の評価】
地盤
ボーリング調査で、比較的浅いうちに固い地層となることが推察されるため、大きな地盤リスクはないと判断します。
建物
全体的にはどっしりとした形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
〔対地震総評〕
大きな地盤リスクがないと推察される場所に建つ、全体的にはどっしりとした形状の建物なので、地震の際に大きな被害が生じる可能性は低いと判断します。

[所在地] 〒140-0014 東京都品川区大井3丁目18−15

標高・地形

標高 約14m~18m
地形 谷底低地(一部、切土地)


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

液状化 該当なし
沖積層 該当なし
埋没谷 範囲に該当
急傾斜等 該当なし

敷地の一部が、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

表層地盤増幅率

表層地盤増幅率 1.85

かなり大きな数値で、大地震時に震度7となる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

周辺のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
深度6m~15mほどでN値50超の地層となります。
深い部分まで表記のある地点(深くて15mまで)がなく、支持層の深さは不明です。
埋没谷の範囲にギリギリ掛かっていますが、埋没谷の影響はほとんどありません。
比較的浅いうちに固い地層となるようなので、地盤に大きな問題はないでしょう。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

築年 2004年8月竣工
構造 RC造地下1階地上14階建
施工会社 フジタ
その他

本件建物の建設時期は、バブル崩壊で経営難に陥ったフジタが再建中の時期と重なります。ただ、経営難の時期に比べれば、再建中の方がまともな仕事が期待できると思いますし、新築時のデベロッパーである東急不動産等の監理能力も含めて、特に問題がないと判断します。
建物形状は、セットバックして階段状になっている部分はありますが、全体的にはどっしりとしており、建物自体の損壊リスクは低いものと判断します。

2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か

対水害 Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
標高 約14m~18m
立地 谷底低地(一部、切土地)
浸水深 なし
【対水害の評価】
標高・立地
標高約14m~18mの谷底低地(一部、切土地)に位置します。
谷底低地は、昔、川が流れることで形成された地形です。大雨が降れば水が集まりやすい場所です。
浸水深
浸水可能性は指摘されていません。
〔対水害総評〕
谷底低地に位置しますが、浸水可能性の指摘がないので、大きな浸水リスクはないと判断します。
想定を超える大雨が発生した場合には、浸水被害が発生する可能性があります。


※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

3.その他の災害リスク

その他 Level  5/5 (特段の災害リスクなし)
接道状況 良好(接面道路幅員約15m)
系統連続性 良好
地域危険度 災害リスクが残る地域
その他

接面道路

南東側都道(幅員約15m)、北東側区道(幅員約3.7m~4m)の2本の道路に接面している角地です。
都道に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「大井3丁目」の地域危険度は”3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。


※地域危険度は、5段階評価で”1”が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、大井3丁目は10件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

4.本マンションの総合評価

総合 Level  5/5
[対地震] Level  4/5 (大きなリスクなし)
[対水害] Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
[その他] Level  5/5 (特段の災害リスクなし)

地震リスク
大きな地盤リスクがないと推察される場所に建つ、全体的にはどっしりとした形状の建物なので、地震の際に大きな被害が生じる可能性は低いと判断します。
水害リスク
谷底低地に位置しますが、浸水可能性の指摘がないので、大きな浸水リスクはないと判断します。
その他リスク
特段の災害リスクなし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル5”とします。
(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。

評価時点》2025年10月