【防災力:4】IT’S東京フォーサイトスクエア

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 IT’S東京フォーサイトスクエア


[所在地] 〒169-0074 東京都新宿区北新宿2丁目6−29

防災力 Level 4
地盤 []緩やかな傾斜地
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []少し複雑な建物形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約31m~33mほどの台地(一部切土地)です。
西方に神田川が流れており、その流域の谷に至る台地の端にある緩やかな傾斜地です。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
敷地の西側は、隣地や前面道路の大久保通りと高低差が3~4mあり、擁壁が設置されています。擁壁は築年が古くなると補修が必要となり、修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
敷地北側にある大久保通り沿いの擁壁に関しては、東京都の管理であるようなので、コスト面での負担は軽減されるでしょう。敷地西側にある擁壁に関しては、西側隣地の所有である可能性があります。擁壁が他人所有の場合、コスト面での負担は軽減されますが、メンテナンスは他人任せになります。必要なメンテナンスがされないと、対象地の地盤がリスクにさらされます。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.31”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
東方の同地形(台地)にある調査地点では、
深度8mほどまでN値5以下の少し柔らかい層が続きます。
その下は固い層と支持層にはなり得ないN値20~40の層が混在します。
深度24mほどで支持層に到達するようです。
北方の調査地点では、表層面が更に柔らかい層であるようです。
支持層がそれなりに深いので、地盤が良い場所とはいえませんが、非常に柔らかい地層は表層面にしかないので、地震時に揺れが大きくなるようなリスクも感じません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2001年2月竣工のSRC造地下2階地上14階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「清水建設」及び大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」の共同企業体です。
建物は、横から見ても上から見ても少々複雑な形状をしており、シンプルな形状の建物と比較したら、多少の損傷リスクがあると認めます。

 接面道路

北側都道(幅員約11m)、東側区道(幅員約6m~6.4m)の2本の道路に接面する角地です。
都道に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「北新宿2丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、北新宿2丁目は33件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。

 本マンションの総評

西側隣地と高低差があり、3mほどの擁壁が設置されています。擁壁によって抑えている土砂の上に建物が建っていることになるので、地盤リスクは無視できません。
浸水可能性は指摘されていません。
少し複雑な形状の建物であり、多少の損傷リスクがあると認めます。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「崖上マンション」というほどの急な斜面ではありませんが、擁壁で敷地の土砂を抑えている部分があるので、地盤リスクが多少はあるものと考えざるを得ません。建物も少々複雑な形状をしているので、その損傷リスクを多少認め、合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。