【防災力:4】DCオーベル弦巻

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 DCオーベル弦巻


[所在地] 〒154-0016 東京都世田谷区弦巻1丁目51−6

防災力 Level 4
地盤 []表層地盤増幅率及びボーリング調査が良好
浸水 []蛇崩川流域で、約1mの浸水可能性
建物 []2000年竣工の中層RC造建物
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約36m~37mの台地斜面及び谷底低地に位置します。
「台地斜面」は、人工的に地盤改変を行っていることが多く、盛土や切土が混在し、地盤の良否を外形的に判断するのが難しい地形です。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.37”です。
都区内で優良レベルであり、地震の際の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内及び近隣に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、深度10m近くまでN値0~2の柔らかい地層があるようですが、支持層には深度9m~12ほどで到達するようです。
柔らかい地層が深度10m近くまで存在するので、良い地盤とはいえませんが、支持層が比較的浅いので、マンション用地としては、問題の少ない場所です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約1mの浸水可能性が指摘されています。
現在は暗渠となっている蛇崩川の流域に位置するので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2000年11月竣工の中層RC造建物(地下1階地上8階建)です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「大成建設」及びマンション建設に実績のある「佐藤工業」の共同企業体です。
佐藤工業は、2002年3月に会社更生法を申請、2009年9月に更生手続きが終結しています。本件マンションの施工期間は、経営破綻する1年半ほど前に当たりますが、大成建設が共同企業体として参加しているので、この件の影響は特になかったと考えます。
中層RC造建物なので、建物自体の損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

西側(幅員約8m)、南側(幅員約6m) 、東側(幅員約6m )の3本の区道と接面している3方路地です。東側以外の接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
西側接面道路は、片側一車線が整備された道路ですが、幹線道路まで直線的にアクセスできる道路ではないので、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「弦巻1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、弦巻1丁目は22件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
中学校と隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

台地斜面及び谷底低地ですが、表層地盤増幅率は優良レベルです。
ボーリング調査も比較的良好な結果です。
蛇崩川流域に位置し、約1mの浸水可能性が指摘されています。
中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します

表層地盤増幅率が優良レベルである上に、周辺のボーリング調査も悪くないので、地盤リスクは小さいと判断します。現在は暗渠となっている蛇崩川の流域に位置し、約1mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕著です。よって、防災力は“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。