【防災力:3】代官山アドレス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 代官山アドレス

[所在地] 〒150-0034 東京都渋谷区代官山町17−1

防災力 Level 3
地盤 []液状化リスク、埋没谷エリア、傾斜地
浸水 []昔の川筋に掛かり、約0.9mの浸水可能性
建物 []レジデンス棟は問題ないが、タワー棟はマイナス1
火災 []地下に変電所
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約22m~28mの台地から谷底低地にまたがる傾斜地に位置します。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがあり得ます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

対象地付近における、表層地盤(地表近くの地層)の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.45~1.47”となっています。
都区内では低い方の数値であり、地震の際の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6″以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内にあるボーリング調査地点の柱状図では、
深度5mほどにN値1の非常に柔らかい地層があります。
その下もあまり固い地層とはならず、深度15mまでN値10前後の柔らかい地層が続きます。
深度15mまでしか表記がなく、支持層の深さは把握できません。
周辺にある複数の調査地点でも、同様に深度約17m~19mでN値10未満の柔らかい地層があります。支持層に到達するには、深度23mを超える必要があるようです、
大きなリスクを感じるような地盤ではありませんが、あまり良い地盤ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に約0.9mの浸水可能性が指摘されています。
敷地の南西側及び南東側は、浸水可能性が指摘される箇所が連続しており、東方にある渋谷川の川筋に繋がっています。
この浸水箇所は、地形的には谷底低地に当たります。谷底低地というのは昔、川が流れていた跡なので、想定を超える大雨が降った場合には、被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

レジデンス棟(タワー棟以外)は、2000年8月竣工のSRC造地下4階地上5階建~13階建の4棟です。タワー棟は、SRC造地下5階地上36階建です。施工会社は、スーパーゼネコンの「鹿島建設」及び「大成建設」の共同企業体です。
レジデンス棟(タワー棟以外)の建物は、どれも全体的にシンプルな形状なので、大きな建物損壊リスクはないものと判断します。
タワーは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワーというだけでマイナス1の対象となります。
タワー棟は、「粘性体制震壁」という制震装置を採用しているようです。

 接面道路及び火災リスク

西側(幅員約15.2m~16m)、南側及び東側(幅員約7.3m~7.5m)、北側(幅員約20m超)の3本の区道に4方で接面する4方路地です。対象地の北側にある隣地との間には私道も設けられているので、周囲から独立した敷地となっています。
旧山手通り(都道)へのアクセスは容易であり、系統連続性は良好です。
対象地の地下には、東京電力の変電所があります。変電所は、通常の住宅やオフィス等と比較すると火災リスクが高くなります。対策は充分にされているでしょうが、リスクではあります。
接道状況及び系統連続性に問題はありませんが、火災リスクは多少あると判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第9回:令和4年9月公表)」によると、「代官山町」の地域危険度は“2”(※)となっており、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、代官山町は20件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”となっています。
敷地内にショッピングセンターが併設されているので、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

「液状化の可能性がある地域」及び埋没谷の範囲に該当する傾斜地です。
周辺のボーリング調査からは、あまり良い地盤でないことが推察されます。
敷地の一部が、昔の川筋に接しています。
レジデンス棟は問題ありませんが、タワー棟はマイナス1とします。
地下に変電所があるので、火災リスクは多少あると判断します。

「液状化の可能性がある地域」及び埋没谷の範囲に該当し、周辺のボーリング調査もあまり良い結果ではない場所にある傾斜地なので、地盤リスクは無視できません。浸水リスク及び火災リスクも少しずつ認められるので、これらを総合的に勘案して、レジデンス棟の防災力を“レベル3”とします。タワー棟はレベル“2”です。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。