【防災力:4】ブリリアタワーズ目黒

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ブリリアタワーズ目黒

[所在地] 〒141-0021 東京都品川区上大崎3丁目1

防災力 Level 4
地盤 []ボーリング調査があまり良くない
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []免震構造、タワー形状の高層建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約28m~30mの台地に位置します。
12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際、揺れが大きくなる可能性があります。


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.29”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

ボーリング調査

本件マンションの公式ホームページ内にあるボーリング調査柱状図では、
深度18mほどまでN値5未満の柔らかい地層が存在します。
深度32mほどで支持層に到達するようです。
深度26m~29mほどに、埋没谷の影響と考えられる少し柔らかい地層が挟まりますが、さほど厚い層ではなく、N値も8以上あるようにみえるので、大きな問題はないでしょう。
近隣に参考となる同地形のボーリング調査地点がありません。
少し深いところまで柔らかい地層が存在し、支持層も深いので、良い地盤とはいえません。
ただ、深いところまで地下階を設けており、地層が多少固くなってから基礎杭としているようなので、深刻な地盤リスクはないのではないかと推察します。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。


※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

[ノースレジデンス]2017年9月竣工のRC造地下3階地上40階建です。
[サウスレジデンス]2017年7月竣工のRC造地下2階地上38階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「大成建設」及び「竹中工務店」の共同企業体です。
免震構造ですが、縦長のタワー型高層マンションです。
タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。
免震構造を採用している建物なので、損壊リスクは低いですが、災害リスクは残ると判断します。

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)
【参考】東日本大震災から学んだのは「“想定”が少ない方が安全」(免震構造についての私見が含まれます)

 接面道路

北側都道(幅員30m超)、西側区道(幅員約15m)、東側区道(幅員約6m)、南側区道(幅員約6m)の4本の道路に接面する4方路地です。
接道部分では、敷地後退をして歩道等を整備しています。
目黒通り(都道)に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「上大崎3丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、上大崎3丁目は23件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置します。
ボーリング調査では、少し深いところまで柔らかい地層が存在し、支持層も深いことが把握できるので、地盤の良い場所ではありません。
浸水可能性は指摘されていません。
免震構造ですが、タワー形状の高層建物なので、災害リスクは残ると判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置しますが、ボーリング調査があまり良い結果ではないので、多少の地盤リスクを計上します。免震構造ですが、タワー形状の高層建物なので、災害リスクは残ると判断します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。