【防災力:4】ブライトヒルズ
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ブライトヒルズ
[所在地] 〒174-0063 東京都板橋区前野町5丁目23−1
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]傾斜地 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [3]1階レベルが階段状 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約11m~19m、台地の縁の台地斜面(傾斜地)に位置します。
●「台地斜面」は、人工的に地盤改変を行っていることが多く、盛土や切土が混在し、地盤の良否を外形的に判断するのが難しい地形です。
●また、傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
●敷地の南西側が「土砂災害警戒区域」と近接しています。これは「日暮台公園」の法面(斜面)に対する指定であると思われますが、この台地斜面は、「土砂災害警戒区域」に指定されるくらい傾斜のある場所だという警告と捉えるべきでしょう。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ [土砂災害警戒区域等マップ(東京都)] → [土砂災害警戒区域]タブ
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.33″です。
●都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南東方にある調査地点では、
▼深度5mほどにN値2の柔らかい地層が挟まりますが、表層面は概ね問題がないようです。
▼それ以降、固い地層と少し柔らかい地層が混在します。
▼支持層の深さは、20mほどの地点と24m超の地点があります。
●表層面に問題はなさそうですが、支持層が20mより深そうなので、マンション用地として良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の東側に約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
●標高の高い東側で、内水氾濫としては大きな数値が指摘されているのは奇妙に感じます。
●東京都下水道局の「下水道台帳」を見ても、この地点にリスクの端緒は見当たりませんでした。
●標高や地形からも、水が集まる要素は見当たらず、敷地全体への影響は低いと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。
※現地調査をした際に問題が見付かれば、評価を見直す可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2007年10月竣工のRC造地上10階建です。
●施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
●敷地の高低差に合わせて、建物の1階レベルが階段状になっているので、地震の際の揺れが複雑に作用すると考えます。
●高台の平坦地にある建物と比較すると、建物損傷リスクを多少認めます。
接面道路
●西側(幅員約5.8m~6m)、南側(幅員約6m)、東側(幅員約4m)の3本の区道に接面する3方路地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●幹線道路まで直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「前野町5丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、前野町5丁目は8件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率は優良レベルですが、台地斜面に位置する傾斜地です。
●周辺のボーリング調査もあまり良い結果ではありません。
●大きな浸水リスクはないでしょう。
●1階レベルが階段状になっているので、建物損傷リスクを多少認めます。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒台地斜面に位置し、高低差が8mほどもある傾斜地であり、ボーリング調査もあまり良い結果ではないので、地盤リスクは無視できません。敷地の高低差に合わせて、建物の1階レベルが階段状になっているので、建物損傷リスクも多少認めます。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。