【防災力:4】アトラスシティ世田谷船橋

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 アトラスシティ世田谷船橋

[所在地] 〒156-0055 東京都世田谷区船橋6丁目27−1

防災力 Level 4
地盤 []谷底低地、表層地盤増幅率は優良レベル
浸水 []昔の川筋で、最大1.5mほどの浸水可能性
建物 []どっしりとした形状
火災 []接面道路及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約40m~42mの谷底低地に位置します。敷地は、昔の川筋に当たります。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.4”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは、”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
表層にN値1~2の柔らかい地層があります。
深度7mほどでN値50超の固い地層となりますが、深度11m~15mほどにN値20を切る少し柔らかい地層が入ります。
支持層の深さは16m~19mのようです。
表層面が少し柔らかく、深度十数mに少し柔らかい地層が入り、支持層も浅くはなさそうなので、地盤の良い場所とはいえません。
ただ、比較的浅いうちに固い地層となるので、地震時に揺れを大きくするようなリスクは感じません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大1.5mほどの浸水可能性が指摘されています。
敷地は、暗渠となっている烏山川の川筋に当たりますので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2023年2月竣工のRC造地上10階建です。
施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
どっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いものと判断します。

 接面道路

北側接面都道(幅員約15m)、東側接面区道(幅員約12m)の2本の道路と接面する角地です。
都道に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「船橋6丁目」の地域危険度は”1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、船橋6丁目は17件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

谷底低地に位置しますが、表層地盤増幅率は優良レベルです。
ボーリング調査は、あまり良い結果ではありませんが、深刻な問題も見出せませんでした。
昔の川筋で、約1.5mの浸水可能性が指摘されています。
どっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率は優良レベルで、ボーリング調査でも深刻な問題は見出せなかったので、大きな地盤リスクはないと考えます。暗渠となっている烏山川の川筋に当たり、約1.5mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。