【防災力:4】アトラス品川中延
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 アトラス品川中延
1.大地震が発生しても安全か
対地震 | Level 4/5 (大きな被災リスクなし) |
地盤ハザード | [5/5]該当なし |
地盤増幅率 | [3/5]標準的 |
ボーリング | [3/5]良いともいえないが深刻な問題もない |
建物 | [4/5]どっしりとした形状 |
【対地震の評価】 [地盤] ●ボーリング調査でプラス評価はしづらいのですが、比較的浅いうちに固い地層となることから、深刻なリスクもないと考えます。 〔建物〕 ●どっしりとした形状の建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。 〔対地震総評〕 ●地盤に多少のリスクは認められるものの、深刻な問題はないようなので、どっしりとした形状の本件建物に大きな損壊リスクはないと判断します。 |
[所在地] 東京都品川区中延2丁目3
標高・地形
標高 | 22m超 |
地形 | 凹地(敷地の北東側は台地) |
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
地盤ハザード(災害危険)エリア
液状化 | 該当なし |
沖積層 | 該当なし |
埋没谷 | 該当なし |
急傾斜等 | 該当なし |
表層地盤増幅率
表層地盤増幅率 | 1.6 |
●都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
周辺のボーリング調査
●敷地内及び近隣の同地形(凹地)に存する公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある調査地点では、
▼北方にある地点では、表層は柔らかいが、深度10m過ぎに一度固い地層となった後、深度12m~14mほどにN値3の柔らかい地層が入ります。支持層の深さは、15m余りであるようです。
▼南方にある地点では、表層に問題はなく深度10m過ぎにN値50超の地層となりますが、深度15mほどで少し柔らかい地層が入ります。支持層の深さは不明です。
●南方の地点で深度15mほどに入る少し柔らかい地層が、それ以降連続するのか把握できないので、プラスの判定はできません。北方の地点も、深度13mほどまでN値3ほどの地層が存在するので、地盤が良いとはいえません。
●ただ、比較的浅いうちに固い地層となることから、深刻なリスクもないと考えます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
建物
築年 | 2019年2月竣工 |
構造 | RC造地下1階地上13階建 |
施工会社 | 長谷工コーポレーション |
その他 | - |
●どっしりとした形状の建物であり、損壊リスクは低いと判断します。
2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か
対水害 | Level 3/5 (浸水リスク有) |
標高 | 約22m~24m |
地形 | 凹地(敷地の北東側は台地) |
浸水深 | [内水氾濫等]最大約0.3m |
【対水害の評価】 [標高・地形] ●標高約22m~24mの凹地に位置します。 ●東・西・北の3方を少し高い台地に囲まれているので、水が集まる可能性があります。 〔浸水深〕 ●内水氾濫等により0.3mの浸水可能性が指摘されています。 〔対水害総評〕 ●周囲を台地に囲まれた凹地に位置し、約0.3mの浸水可能性が指摘されているので、多少の浸水リスクを計上することとします。 ●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性のある立地です。 |
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
3.その他の災害リスク
その他 | Level 4/5 (大きな災害リスクなし) |
接道状況 | 良好(3方路地) |
系統連続性 | 普通 |
地域危険度 | 災害リスクが大きい地域 |
その他 | - |
接面道路
●北側(幅員6m超)、東側(幅員6m超)、西側(幅員4m)の3本の区道に接面する3方路地です。
●北側、東側の接面道路はいずれも一方通行路であることから、系統連続性は普通とします。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「中延2丁目」の地域危険度は“4”(※)であり、災害リスクが大きい地域であるとされています。
●木造住宅密集地域と近接しているため、万が一、この地域が火災になった場合には、火の粉が飛んでくる等のリスクが見込まれます。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、中延2丁目は13件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●すぐ北側に小学校があります。運動会のときなどは騒がしく感じるかもしれません。
●また、当該マンションは「防災街区整備事業」として再開発された物件であり、「防災井戸」「マンホールトイレ」「かまどベンチ」などを敷地内に備えています。
4.本マンションの総合評価
総合 | Level 4/5 |
[対地震] | Level 4/5 (大きな被災リスクなし) |
[対水害] | Level 3/5 (浸水リスク有) |
[その他] | Level 4/5 (大きな災害リスクなし) |
【地震リスク】
地盤に多少のリスクは認められるものの、深刻な問題はないようなので、どっしりとした形状の本件建物に大きな損壊リスクはないと判断します。
【水害リスク】
周囲を台地に囲まれた凹地に位置し、約0.3mの浸水可能性が指摘されているので、多少の浸水リスクを計上することとします。
【その他リスク】
地域危険度測定調査で、災害リスクが大きい地域であるとされています。
⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。
(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。