【防災力:4】オーベル池袋立教通り

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 オーベル池袋立教通り

[所在地] 〒171-0021 東京都豊島区西池袋4丁目18−7

防災力 Level 4
地盤 []表層地盤増幅率が優良レベル
浸水 []昔の川沿いで、約0.7mの浸水可能性
建物 []全体的にはどっしりとした形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約29m~30m、谷端川の暗渠(谷端川南緑道)沿いの谷底低地です。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.28″です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある複数の調査地点では、ほぼ下記の通りです。
表層面:N値1~3ほどの柔らかい地層
深度約9m:N値50超の固い地層
深度15m前後:N値10~20ほどの少し柔らかい層
深度16m超:支持層に到達
表層面が柔らかく、途中にも少し柔らかい地層が入るので、あまり良い地盤とはいえませんが。支持層がさほど深くはないので、マンション用地として、大きなマイナスはないのではないかと推察します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
敷地の西側は、谷端川の暗渠であり、川沿いといっていい場所に位置します。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1998年2月竣工のSRC造地上10階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「西松建設」です。
建物は、上から見ると少し複雑な形状ですが、全体的にはどっしりとした形をしているので、損壊リスクは低いと判断します。
建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

北側(幅員約11.7m~12.1m)、北東側(幅員約3.8m~4m)の2本の区道に接面する角地です。区道との接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
また、西側及び南側にも通路があり、4方路地のような接道状況です。
山手通りに容易にアクセスできるので、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西池袋4丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、西池袋4丁目は30件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。

 本マンションの総評

谷底低地に位置しますが、表層地盤増幅率は優良レベルです。
周辺のボーリング調査には、深刻な地盤リスクの兆候は見られません。
暗渠となっている谷端川沿いで、約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
全体的にはどっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

谷底低地ですが、表層地盤増幅率は優良レベルで、ボーリング調査もさほど悪くないので、大きな地盤リスクはないと判断します。昔の川沿い立地で、約0.7mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは無視できません。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。