【防災力:4】ブリリア品川中延
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ブリリア品川中延
[所在地] 〒142-0053 東京都品川区中延6丁目10−11
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]ボーリング調査にも埋没谷の兆候 |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [4]全体的にはシンプルかつどっしりとした形状 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約22m~24mの台地(の端)に位置します。
●敷地に多少の高低差がありますが、大規模な擁壁も見られず、これによるリスクは低いでしょう。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.54”です。
●都区内では比較的低い数値であり、地震の際の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南東方にある同地形(台地)の調査地点では、
▼表層はN値6~7と、都区部の武蔵野台地エリアとして良好なレベルです。
▼ただ、深度7m~8m、16m~22m、25m~26mでN値3~4の柔らかい地層が続きます。
▼柱状図に深度26mでしか記載がなく、支持層の深さは把握できません。
●本件マンションの公式ホームページに、「地下約27mから始まる層に、地下約30mまで杭を築造」との記載があり、支持層の深さは約27mであろうと推察されます。
●表層面に問題はないのですが、埋没谷の影響とも考えられる柔らかい地層が地中にあるので、マンション用地として良い地盤とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2008年2月竣工のRC造地下1階地上12階建です。
●施工会社は、中堅ゼネコンの「淺沼組」です。
●全体的にはシンプルかつどっしりとした形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
●東側区道(幅員約6m)、北側区道(幅員約4m)、南側私道の3本の道路に接面している3方路地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●第二京浜(国道1号)と近接しているのですが、直線的に接続できる南側接面道路は、幅員が広くない一方通行路なので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「中延6丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、中延6丁目は21件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
本マンションの総評
●埋没谷の範囲に該当し、ボーリング調査でもその影響が見られます。
●浸水可能性は指摘されていません。
●全体的にはシンプルかつどっしりとした形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いでしょう。
⇒埋没谷の範囲に該当し、ボーリング調査でもその影響が見られるので、地盤リスクは無視できません。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。