【防災力:4】東京テラス

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 東京テラス

[所在地]〒157-0071 東京都世田谷区千歳台6丁目16

防災力 Level 4
地盤 []埋没谷、ボーリング調査でも埋没谷を認識
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []どっしりとした形状の建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約46mの台地に位置します。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率”1.27”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある複数の調査地点では、
表層は、N値5以上ある地点が多いです。
深度8m前後にN値1~2の柔らかい地層が入るようです。
その後深度10m前後でN値50超の固い地層になりますが、深度14mほどより下に埋没谷の影響とみられる柔らかい地層があるようです。
いずれの地点の柱状図も、深度15mまでの表記しかなく、支持層の深さは把握できません。
表層面に問題はなさそうですが、埋没谷の影響が柱状図から見えるので、地盤が良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

J棟の西側境界付近に0.2mほどの浸水可能性が指摘されていますが、敷地全体に大きな影響はないものと考えます。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2006年3月竣工のRC造地上12階~14階建(H棟は地下1階付き)です。
施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
どっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

北側都道(車道幅員約15m)、東側区道(幅員約11m~12m)、西側区道(幅員約11m~12m)、南側区道(幅員約1.9m)の4本の道路に接面しています。周辺や敷地内には充分な幅員の通路があり、4方路地といっていい接道状況です。
都道に接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「千歳台6丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、千歳台6丁目は6件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
西側で小中高の学校と隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

台地に位置しますが、埋没谷の範囲に該当します。
ボーリング調査からも、埋没谷の存在が認識できます。
浸水リスクは低いでしょう。
どっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

埋没谷の範囲に該当し、隣接地のボーリング調査でその存在が認識できる以上、地盤リスクが低いとはいえません。建物の形状は全体的にどっしりとしているので、建物損壊リスクは低いと判断します。浸水リスク及び火災リスクも低いですが、地盤リスクを考慮し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。