【防災力:5】TOKYOシティトリエ(テラス棟)

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 TOKYOシティトリエ(テラス棟)


[所在地] 〒170-0001 東京都豊島区西巣鴨1丁目12−6

防災力 Level 5
地盤 []表層地盤増幅率が優良レベルの台地
浸水 []大きな浸水リスクはないが、注意は必要
建物 []テラス棟は問題ないが、タワー棟はマイナス1
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高21m~22mの台地に位置します。
この場所は「約1万年前から現在にかけて形成された台地や段丘」とされています。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.34”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内にある公開されたボーリング調査地点:
深度19mほどまでN値が10ほどの地層が多くを占めます。
支持層に到達するのは深度24mほどのようです。
マンション用地としては柔らかい地層が深度19mほどまで存在し、支持層もそれなりに深いので、あまり良い地盤ではありません。ただ、地震時の揺れを大きくするような非常に柔らかい地層もありません。
周辺にある複数の調査地点:
支持層に到達するのは深度19mを超える地点がほとんどです。
またその多くで、地震時の揺れを大きくするような非常に柔らかい層の存在も確認できません。
これらの地点も、大きな地盤リスクはないと思いますが、マンション用地として、あまり良い地盤ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に約0.3mの浸水可能性が指摘されています。
当該指摘箇所は、東方にある谷端川の昔の川筋に繋がっており、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2005年11月竣工のRC造地下1階地上25階建です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「西松建設」及び「東急建設」の共同企業体です。
25階建てのタワー棟と9階建てのテラス棟の2棟からなります。
タワー棟:タワーは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワーというだけでマイナス1の対象となります。
テラス棟:建物の上階部分が階段状に北や東方向に段々と低くなっていますが、全体的にどっしりとした形状の中層RC造建物であり、建物損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

北西側都道(幅員約21.8m)、南西側都道(幅員約18m)、東側区道(幅員約3.2m~3.8m)の3本の道路と接面する3方路地です。
2本の都道と接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西巣鴨1丁目」の地域危険度は“2”(※) であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、西巣鴨1丁目は32件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。
明治通り沿いであることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置します。
ボーリング調査はあまり良い結果ではありませんが、深刻な問題も見られません。
大きな浸水リスクはありませんが、注意は必要です。
テラス棟は問題ありませんが、タワー棟はマイナス1とします。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置し、ボーリング調査でも深刻な問題は見られないことから、大きな地盤リスクはないと判断します。他のリスクは低いので、テラス棟の防災力を“レベル5”とします。タワー棟は“レベル4”です。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。