【防災力:3】ザ・パークハウス成城彩景

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ザ・パークハウス成城彩景

 

1.大地震が発生しても安全か

地震に強いとはいえない

対地震 Level  3/5 (リスク有)
地盤ハザード [3/5]「埋没谷」に該当
地盤増幅率 [1/5]やや高い
ボーリング [1/5]地中深くに柔らかい地層が連続
建物 [5/5]2015年竣工の中層RC造建物
【対地震の評価】
地盤
「埋没谷」の範囲に該当し、ボーリング調査でも、地中深くに柔らかい地層が連続することが把握できるので、相応の地盤リスクがあると判断します。
建物
2015年に竣工した中層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
〔対地震総評〕
埋没谷エリアに該当し、ボーリング調査でもその影響が顕著にみられる場所なので、地震の際に揺れが大きくなる可能性があります。中層RC造建物ですが、被害が生じる可能性は否定できません。

[所在地] 〒157-0066 東京都世田谷区成城1丁目15

標高・地形

標高 約40m
地形 台地上の切土地


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

液状化 該当なし
沖積層 該当なし
埋没谷 範囲に該当
急傾斜等 該当なし

12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震時の揺れが大きくなる可能性があります。

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

表層地盤増幅率

表層地盤増幅率 1.67

都区内の武蔵野台地エリアではやや高い数値であり、地震の際の揺れが比較的大きくなる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
南側隣地の中学校にある調査地点:
深度9m過ぎにN値50となりますが、深度12mほどから柔らかい地層(N値1~5)が深度20m過ぎまで続きます。
支持層に到達するのは、深度25m超のようです。
西方にある調査地点も同じような柱状図となっています。
埋没谷の影響が見られ、地中深くに柔らかい地層が連続することが把握できるので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

築年 2015年7月竣工
構造 RC造地上5階建
施工会社 東急建設
その他

中層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いです。

2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か

対水害 Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
標高 約40m
立地 台地上の切土地
浸水深 [内水氾濫等]約0.1m
【対水害の評価】
標高・立地
標高約40m、台地上の切土地に位置します。
浸水深
最大約0.1mの浸水可能性が指摘されています。
〔対水害総評〕
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと考えます。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。


※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

3.その他の災害リスク

その他 Level  4/5 (大きな災害リスクなし)
接道状況 普通(接面道路幅員約6m)
系統連続性 普通
地域危険度 災害に強い地域
その他

接面道路

西側区道(幅員約6m)と接面する中間画地です。
南側にも区の管理道路である通路があり、角地のような接道状況です。
西側の接道部分は、敷地後退をして公園等を整備しています。
北方にある「成城六間通り」までのアクセスは容易ですが、西側接面道路からの延長部分に少し幅員が狭くなる箇所があるように見受けられるので、系統連続性は普通と判断します。
その狭い箇所も、幅員4m超は維持されるように見えるので、緊急車両の通行に支障はないと思われ、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「成城1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。


※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、成城1丁目は17件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
南側隣地に中学校があり、東側に中高一貫校が隣接していますので、騒がしく感じる可能性があります。

4.本マンションの総合評価

総合 Level  3/5
[対地震] Level  3/5 (リスク有)
[対水害] Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
[その他] Level  4/5 (大きな災害リスクなし)

地震リスク
埋没谷エリアに該当し、ボーリング調査でもその影響が顕著にみられる場所なので、地震の際に揺れが大きくなる可能性があります。中層RC造建物ですが、被害が生じる可能性は否定できません。
水害リスク
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと考えます。
その他リスク
大きなリスクを感じるような要素なし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル3”とします。
(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。

評価時点》2025年9月