【防災力:4】ザ・パークハウス本郷
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ザ・パークハウス本郷
[所在地] 〒113-0033 東京都文京区本郷1丁目28−8
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]埋没谷、ボーリング調査がいま一つ |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [4]全体的にシンプルな形状 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高18m~22mの台地に位置しています。
●敷地自体は高台の平坦地といえる場所にありますが、一部が大きく窪んでいます。地歴の確認が必要と思われる場所です。
●敷地の南側は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※色別標高図を作成すると、敷地内に標高18m以下の場所がある。
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.29”です。
●都区内で優良レベルであり、地震の際の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●東方隣地にある調査地点の柱状図では、
▼深度9m過ぎまでN値3ほどの柔らかい地層が続きます。
▼その後、N値30超となりますが、支持層の深さは推定できません。
●周辺の少し離れた調査地点を参考までに見てみると、十数mの深さにも柔らかい地層がある場所が多く、支持層の深さも39mを超えるようです。
●深い部分まで柔らかい地層が続き、支持層も深いので、良い地盤とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2018年11月竣工のRC造地上14階建です。
●施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「木内建設」です。
●南側の棟は少し縦長ですが、全体的にシンプルな形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
●西側(幅員約6.6m~6.8m)、南側(幅員約6.8m)の2本の区道と接面している角地です。
●春日通り(国道254号線)及び壱岐坂通りへのアクセスは容易ですが、西側接面区道は一方通行路なので、系統連続性は普通とします。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「本郷1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、本郷1丁目は33件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”となっています。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率が優良レベルの台地に位置します。
●敷地の一部が埋没谷エリアに該当し、周辺のボーリング調査もあまり良くありません。
●浸水可能性は指摘されていません。
●全体的にシンプルな形状の建物であり、建物損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒敷地の一部が埋没谷エリアに該当し、周辺のボーリング調査もあまり良くないので、地盤リスクは無視できません。その他のリスクは低いため、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。