【防災力:3】テラス加賀

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 テラス加賀

[所在地] 〒173-0003 東京都板橋区加賀1丁目15−6

防災力 Level 3
地盤 []液状化
浸水 []氾濫浸水区域内、約0.7mの浸水可能性
建物 []かなり複雑な形状
火災 []系統連続性は普通(やや優る)
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約17m~18mの、石神井川沿いの谷底低地に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.32″です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
南西にある同地形(谷底低地)の調査地点では、概ね表層面から徐々に固い層になり、深度18mほどで支持層に到達するようです。
周辺の調査地点では、地下水位の下に砂質の地層が広がっているので、液状化リスクは顕在です。
N値や支持層に大きな問題がない可能性はありますが、液状化リスクは認めざるを得ません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約0.7mの浸水可能性の指摘があります。
敷地は、赤線で示される「石神井川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置します。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性のある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2000年3月竣工のSRC造地下1階地上14階建です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「大林組」です。
建物は、かなり複雑な形状です。横長でシンプルな形状の建物と比較したら、多少の損傷リスクを認めます。

 接面道路

西側(幅員約11.7m~11.8m)、北側(幅員約12m)の2本の区道に接面する角地です。南側の石神井川沿いにも通路があるので、3方路地といってもいい接道状況です。
幹線道路まで、直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通(やや優る)と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「加賀1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、加賀1丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

「液状化の可能性がある地域」に含まれる谷底低地に位置します。
周辺のボーリング調査からも、液状化の可能性を否定できません。
石神井川の氾濫浸水区域内に位置し、約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
かなり複雑な形状の建物であり、損傷リスクを多少認めます。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

「液状化の可能性がある地域」に含まれ、ボーリング調査でも液状化の可能性が否定できないので、地盤リスクは無視できません。石神井川の氾濫浸水区域内に位置し、約0.7mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクも顕在です。複雑な形状なので、建物の損傷リスクも少々認めます。これらを総合的に勘案して、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。