【防災力:4】ソライエ成増
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ソライエ成増
[所在地] 〒175-0094 東京都板橋区成増3丁目48−18
防災力 | Level 4 |
地盤 | [4]表層地盤増幅率が良好 |
浸水 | [3]敷地の一部が「氾濫浸水区域」 |
建物 | [5]シンプルな形状の中層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性は普通(やや優る) |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約9m~11mの、谷底低地に位置します。
●対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.46~1.47″です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある複数の調査地点では、
▼表層面にN値1~2の非常に柔らかい地層があります。
▼深度11m~16m(or17m)にN値50超の地層が続いています。
▼ただ、その下にN値20ほどの地層があり、再度N値50超の地層が続くのは、深度29mを超えるようです。
●支持層が深いので、マンション適地とはいえないですが、深度10mを超えてすぐに固い地層があるというのは、さほど悪い場所でもありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大約0.3mの浸水可能性が指摘されています。
●敷地の一部は、赤い線で示された「白子川が氾濫した場合の浸水区域」に掛かっており、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2018年2月竣工の中層RC造建物(地上6階建)です。
●施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
●中層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●北西側(幅員約8.3m~9.7m)、西側(幅員約6m)、南側(幅員約6m)、北東側(幅員約7.9m~8.1m)の4本の区道に接面する4方路地です。北西側以外の接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●幹線道路まで、直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通(やや優る)と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「成増3丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、成増3丁目は52件となっており、治安は“5段階で4番目の治安が悪いレベル”です。
本マンションの総評
●沖積層エリアに該当しますが、表層地盤増幅率は比較的良好です。
●周辺のボーリング調査では、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
●「氾濫浸水区域」に、敷地の一部が掛かっています。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒表層地盤増幅率が比較的良好で、周辺のボーリング調査でも大きな問題はないようなので、地盤リスクは比較的小さいと判断します。ただ、敷地の一部が、白子川の氾濫浸水区域に掛かっており、浸水リスクは顕在です。浸水リスクも大きなものではないのですが、地盤に多少残る懸念も加味して、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。