【防災力:4】スカイティアラ
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 スカイティアラ
[所在地] 〒174-0051東京都板橋区小豆沢1丁目1・2
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]液状化、ボーリング調査もいま一つ |
浸水 | [3]少し大きな約1.4mの内水氾濫リスク |
建物 | [4]全体的にはシンプルかつどっしりとした形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約18m~22mの台地に位置します。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.42~1.44″です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある複数の調査地点では、
▼深度4m~6mほどにN値2の柔らかい地層が挟まります。
▼深度10m過ぎてもN値10ほどの地点も多く、地盤が良いとはいえません。
▼周辺にある4ヶ所の調査地点を見ても支持層までの深さは把握できませんでした。そのうち2ヶ所では深度30mを超えてもN値20未満の地層があるようです。
▼地下水位の下に、砂質の地層が存在する地点が多いので、液状化の可能性がある場所といえます。
●表層面に大きなリスクは感じませんが、支持層が深く、液状化の可能性もあるようなので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の一部に約1.4mの浸水可能性の指摘があります。内水氾濫としては、少し大きな数値です。
●東京都下水道局が公開している下水道台帳を見ても、この場所に水が集まる理由は見出せませんでした。
●対象地は、地下1階部分の掘削を行っており、その部分に水が溜まる可能性を指摘したものと推察します。
●特に、ウエスト棟は、敷地の東西及び南側隣地の標高が高くなっており、なだらかですが谷地状の地形となっているので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
▼イースト:2015年2月竣工のRC造地下1階地上12階建
▼ウエスト:2015年4月竣工のRC造地下1階地上18階建
の2棟からなります。
●施工会社は、スーパーゼネコンの「大林組」です。
●両棟とも、東側及び北側がセットバックされ階段状になっていますが、全体的にはシンプルかつどっしりとした形状をしているので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
▼イースト:3方路地|北側(幅員約15.4m~20m)、西側(幅員約8m)、南側(幅員約8m)
▼ウエスト:4方路地|北側(幅員約15.8m~20m)、東側(幅員約8m)、南側(幅員約8m)、西側(幅11m)
●全て区道です。イースト棟の北東側に都道が掛かっていますが、それによる影響は特にありません。
●西方の中山道(国道17号線)へのアクセスは容易なので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「小豆沢1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、小豆沢1丁目は7件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
●北側に中学校が隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率は良好ですが、「液状化の可能性がある地域」に含まれます。
●ボーリング調査でも、液状化の兆候がみられます。
●少し大きな内水氾濫リスクが指摘されています。
●全体的にシンプルかつどっしりとした形状の建物であり、損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒「液状化の可能性がある地域」に該当し、ボーリング調査にも液状化の兆候がみられるので、地盤リスクは無視できません。少し大きな内水氾濫リスクが指摘されているので、浸水リスクも少々計上し、地盤リスク及び浸水リスクを合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。