【防災力:2】サンクタス南品川

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 サンクタス南品川


[所在地] 〒140-0004 東京都品川区南品川4丁目2−38

防災力 Level 2
地盤 []砂州、液状化、沖積層、軟弱地盤
浸水 []目黒川沿い
建物 []どっしりとした形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約3.4m~3.7m 、目黒川沿いの「砂州」に位置します。
東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に敷地が含まれています
また、対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]


※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.52”です。
都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
ただ、上述の「液状化エリア」「沖積層エリア」の範囲に該当し、次の項目のボーリング調査を見ても、対象地が地震の際に揺れが小さく抑えられる要素はないと思えます。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
西側接面道路にある調査地点では、深度約20mまでN値0~1の非常に柔らかい地層が大部分を占めており、「軟弱地盤」であることが分かります。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

河川洪水及び高潮浸水のいずれにおいても最大約1mの浸水可能性が指摘されています。
高潮の想定も、目黒川の想定も、昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、予想を超える可能性があることを指摘したいと思います。

【高潮ハザードマップ】

※ [東京都港湾局] → [高潮リスク検索サービス]

【河川洪水ハザードマップ】

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2012年8月竣工のRC造地上13階建の建物です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「東亜建設工業」です。
どっしりとした形状であり、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

西側区道(幅員約10m)に接面する中間画地です。
北側にも、幅員3.6mほどの目黒川沿いの遊歩道が整備されており、角地のような接道状況です。
北方の山手通りへのアクセスにボトルネックとなるような箇所はなく、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「南品川4丁目」の地域危険度は“4”(※)であり、災害リスクが大きい地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、南品川4丁目は22件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

目黒川沿いの「砂州」に位置し、「液状化の可能性がある地域」及び「沖積層の堆積エリア」に該当します。
隣接したボーリング調査からも、地盤リスクは大きい場所であることが示唆されます。
約1mの浸水可能性が指摘されていますが、目黒川沿いなので想定を超える水害もあり得ます。
どっしりとした形状であり、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

「液状化の可能性がある地域」、沖積層エリアに該当する、目黒川沿いの「砂州」に位置し、隣接したボーリング調査からも評価除外エリアの「湾岸地区等」並みに地盤リスクが大きな場所であることが推察されるので、地盤でマイナス2とします。浸水リスクも顕在なのでマイナス1とし、防災力を“レベル2”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。