【防災力:4】鷺宮ヒルズ

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 鷺宮ヒルズ

[所在地] 〒165-0033 東京都中野区若宮3丁目58−7

防災力 Level 4
地盤 []表層地盤増幅率が標準的
浸水 []氾濫浸水区域内で、約1.5mの浸水可能性
建物 []1998年竣工の低層RC造建物
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約37m~38mの谷底低地に位置します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.64”となっています。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
表層面はN値0の非常に柔らかい地層が深度5mほどまでありますが、深度6mでN値が10を超える地点が多いです。
支持層までの表記がなく、支持層の深さは把握できませんでした。
支持層の深さが25m超となるようなので、マンション用地として、あまり良い場所とはいえませんが、地震の際に揺れを大きくするようなリスクは感じられません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約1.5mの浸水可能性が指摘されています。
敷地は、赤い線で表示される「妙正寺川が氾濫した場合の浸水区域」に含まれます。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1998年3月竣工の低層RC造建物(地上3階建)です。施工会社は、準大手ゼネコンの「戸田建設」です。
低層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いです。
ただ、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

南側、西側の2本の区道と接面する角地です。中野区は当該区道の幅員情報を公開していないので、詳細な幅員は不明ですが、区道は問題のない広さの道路です。
幹線道路に直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「若宮3丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、若宮3丁目は15件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
北側に西武新宿線の線路が隣接しており、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が標準的な、妙正寺川流域に位置する谷底低地です。
ボーリング調査からは、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
氾濫浸水区域内で、最大約1.5mの浸水可能性が指摘されています。
低層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いです。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いでしょう。

表層地盤増幅率が標準的で、ボーリング調査でも深刻なリスクは認められなかったので、大きな地盤リスクはないと判断します。妙正寺川の氾濫浸水区域内で、約1.5mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。