【防災力:3】プラウド志村城山
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 プラウド志村城山
[所在地] 〒174-0056 東京都板橋区志村2丁目11−22
防災力 | Level 3 |
地盤 | [2]10m超の高低差がある傾斜地、液状化 |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [4]全体的にはどっしりした形状 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約9m~23m、台地の縁にある傾斜地に位置します。
●傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
●また、隣地及び接面道路との境界に高低差があるため擁壁等を設置しており、擁壁等も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.34~1.56″です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南西方にある調査地点では、
▼表層でN値8以上あります。
▼その下で少し固くなるものの、深度約16m~22mにN値10未満の地層が混在します。
▼柱状図の記載が深度30mまでしかなく、その深さで支持層に到達していないので、支持層の深さは把握できません。
▼地下水位の下に、砂質の地層が存在するので、液状化の可能性は否定できません。
●深度20mほどまで柔らかい地層が存在し、支持層が深く、液状化の可能性もあるので、地盤の良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2009年3月竣工のRC造地上11階建です。
●施工会社は、マンション建設に実績のある「東洋建設」です。
●全体的にはどっしりとした形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
●東側(幅員約4m)、北西側(幅員約6m)の2本の区道に接面する2方路地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●幹線道路まで直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「志村2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、志村2丁目は19件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
●小学校が隣接しているので、騒がしく感じる可能性があります。
本マンションの総評
●10m超の高低差がある傾斜地です。
●表層地盤増幅率が良好な台地に位置しますが、「液状化の可能性がある地域」に該当します。
●周辺のボーリング調査でも「液状化」の可能性は否定できません。
●浸水可能性は指摘されていません。
●全体的にはどっしりとした形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒10m超の高低差がある傾斜地であり、大規模な擁壁を築造しています。また、その土台となる敷地は、「液状化の可能性がある地域」に該当し、ボーリング調査でも液状化の可能性が否定できません。傾斜地リスクがある上に、液状化リスクも顕在なので、地盤リスクでマイナス2とします。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。