「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名　プレステージ浜田山ジヴェルニー

[所在地] 〒168-0065 東京都杉並区浜田山２丁目１５−１

 標高・地形

●標高約44m～45mの台地から続く切土地です。周囲の台地部分と標高は変わらないので、台地といっていい地形です。
●杉並区立の公園としては最大規模の「柏の宮公園」が、対象地の南側に隣接しています。この公園は、防災機能の充実にも重点を置いており、隣接していることは防災上メリットです。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.55～1.57”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある複数の調査地点では、
▼表層面に問題はないものの、深度8mほどに柔らかい地層が挟まるようです。
▼支持層には、深度10mほどで到達するようです。
●支持層が比較的浅いので、マンション用地として、問題の少ない場所です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

●敷地の一部に0.3mほどの浸水可能性が指摘されています。
●周囲に浸水リスクを感じるような箇所はなく、地形や下水道台帳からも、ここに水が集まる理由が判然としません。最高高さ10mの限度以内に建物高さを収めるために、地下1階部分を掘削した結果だと判断します。
●地形や標高からみて、敷地全体に大きな影響を与えることはないものと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

●2003年3月竣工の低層RC造建物(地下1階地上4階)です。
●施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「奥村組」です。
●低層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いです。

 接面道路

●東側(幅員約6.7m～7.2m)、南西側(幅員約3.3m～4m)の2本の区道と接面する角地です。接道部分は、敷地後退をして歩道を整備もしくは拡張しています。
●東側接面道路は、北方に進むと踏切を渡れず(車両通行禁止)、南方に進んでも幹線道路に繋がることはありません。東方にある鎌倉街道へのアクセスは容易ですが、その鎌倉街道もさほど広い幅員が確保されている訳ではないので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「浜田山2丁目」の地域危険度は“２”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、浜田山2丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

●表層地盤増幅率が標準的な台地(同様の切土地)に位置します。
●ボーリング調査は良好です。
●浸水リスクが全体に大きな影響を及ぼすことはないでしょう。
●低層RC造建物であり、損壊リスクは低いです。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

⇒表層地盤増幅率が標準的で、ボーリング調査が良好な台地(同様の切土地)に位置するので、地盤リスクは低いと判断します。その場所に建つ低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。浸水リスク及び火災リスクも低いので、防災力を“レベル５”とします。(５段階評価で５が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。