【防災力:4】プレイス白金ブライトレジデンス
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 プレイス白金ブライトレジデンス
[所在地] 〒108-0072 東京都港区白金1丁目25−11
防災力 | Level 4 |
地盤 | [4]ボーリング調査が比較的良好 |
浸水 | [3]氾濫浸水区域内で、約0.7mの浸水可能性 |
建物 | [4]シンプルな形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約7m~8mの谷底低地に位置します。
●対象地の一部は最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに掛かります。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.52”です。
●都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●周辺にある同地形(谷底低地)の調査地点では、
▼表層は「沖積層」エリアに見られるような柔らかい地層です。
▼深度10mほどまでN値10以下のマンション用地としては柔らかい地層が続きます。
▼ただ、そのすぐ下には支持層といってもいい地層が存在します。
▼「埋没谷」の影響は大きくないように見受けられます。
●表層は柔らかいですが、支持層が比較的浅いようなので、マンション用地としては問題の少ない場所であると推察します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の北東部には、最大約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、赤い線で表示される「古川が氾濫した場合の浸水区域」に含まれています。
●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性のある立地です。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2005年6月竣工のSRC造地下1階地上20階建です。
●施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
●少し階層が高い建物ですが、シンプルな形状なので、損壊リスクは低いと判断します。
接面道路
●東側(幅員約12.2m)、北側(幅員約5.8m~6m)の2本の区道に接面する2方路地です。
●幹線道路(都道415号線)との接続は良好なので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「白金1丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域とされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、白金1丁目は22件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
本マンションの総評
●沖積層及び埋没谷の範囲に該当する谷底低地に位置します。
●ボーリング調査は比較的良い結果です。
●古川の氾濫浸水区域内で、約0.7mの浸水可能性が指摘されています。
●シンプルな形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒沖積層及び埋没谷の範囲に該当する谷底低地に位置しますが、ボーリング調査で、支持層が比較的浅いことが推察されるので、大きな地盤リスクはないと判断します。古川の氾濫浸水区域内で、約0.7mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。