物件名　ライオンズタワー上野黒門町

１．大地震が発生しても安全か

[所在地] 〒110-0005 東京都台東区上野１丁目７−４

標高・地形

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

●最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

表層地盤増幅率

●都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れを小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●北東方で近接する調査地点では、
▼深度8m過ぎまでは、N値1～2の柔らかい地層が続きます。
▼深度9m手前でN値10を超え、以降N値10を下回ることはありません。
▼深度15m過ぎにN値50となるものの、深度18m～21mほどにN値20未満の地層が入ります。
▼支持層の深さは27m余りのようです。
●南方にある地点でも、概ね同様の地盤です。
●表層が柔らかく、地中深くに少し柔らかい地層が入るようなので、地盤が良いとはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

●縦長のタワー型高層マンションです。
●タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)

２．1000年に一度の大水害が発生しても安全か

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

３．その他の災害リスク

接面道路

●西側都道(幅員約22m)、北側区道(幅員約3.6m～4m)、東側区道(幅員約6m)、南側区道(幅員約6m)の4本の道路に接面している4方路地です。
●北側及び東側の接道部分では、敷地後退をして歩道等を整備しています。
●都道に接面しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「上野1丁目」の地域危険度は“２”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。

※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、上野1丁目は27件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。

４．本マンションの総合評価

【地震リスク】
地盤リスクが懸念される立地である上に、タワー形状の高層建物なので、相応の被災リスクがあると判断します。
【水害リスク】
浸水可能性の数値が低いので、大きな浸水リスクはないと判断します。
【その他リスク】
特段の災害リスクなし

⇒地盤、建物の両方にリスクが認められることから、防災力を“レベル３”とします。
(５段階評価で５が最も安全)

《評価時点》2025年8月