【防災力:4】ライオンズマンション渋谷道玄坂

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ライオンズマンション渋谷道玄坂

[所在地] 〒150-0044 東京都渋谷区円山町22−12

防災力 Level 4
地盤 []埋没谷エリア、傾斜地
浸水 []浸水可能性の指摘なし
建物 []全体的にはシンプルな形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約27m~33m、台地から低地にかけての、約6mの高低差がある傾斜地です。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがあり得ます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
南西側の隣地境界で、高低差があるため擁壁を設けています。擁壁も築年が古くなると補修が必要となり、修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題が生じます。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

対象地付近における、表層地盤(地表近くの地層)の地震時の揺れの大きさを示す地地盤増幅率は”1.49~1.5”となっています。
都区内では低い方の数値であり、地震の際の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6″以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある複数の調査地点の柱状図では、
台地にある地点の表層面には問題がなさそうですが、谷底低地にある地点では、深度11mを超えてもN値2ほどの非常に柔らかい地層があります。
その後、深度20m近くまでN値10ほどの、マンション用地としては柔らかい地層が続きます。
支持層には、深度20m~28mほどで到達するようです。
敷地の一部は谷底低地にかかっているので、あまり良い結果ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

浸水可能性は指摘されていません。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1999年5月竣工のSRC造地上14階建です。施工会社は、マンション建設に実績のある「東鉄工業」です。
少し細長い建物をエキスパンションジョイントで接合したような形状をしています。それぞれの建物部分は、全体的にはシンプルな形状をしているので、建物損壊リスクは低いと判断します。
建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

西側区道(幅員約5.4m~6m)、北東側私道、南西側私道の3本の道路に接面する3方路地です。区道との接道部分は、敷地後退をして歩道を整備しています。
前面道路は一方通行路なので、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第9回:令和4年9月公表)」によると、「円山町」の地域危険度は“2”(※)となっており、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、円山町は94件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”となっています。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が比較的良好ですが、埋没谷エリアに該当する傾斜地です。
周辺のボーリング調査は、良い結果ではありません。
浸水可能性は指摘されていません。
全体的にはシンプルな形状なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いと判断します。

埋没谷の範囲に該当する傾斜地で、周辺のボーリング調査結果も良くないため、地盤リスクの存在を無視できません。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。