【防災力:4】ヴィークステージ南馬込 桜並木通り

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ヴィークステージ南馬込 桜並木通り

[所在地] 〒143-0025 東京都大田区南馬込4丁目11−19

防災力 Level 4
地盤 []沖積層、ボーリング調査もいま一つ
浸水 []大きな浸水リスクはなし
建物 []中層RC造建物
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約7m~9mの谷底低地です。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.68”です。
都区内の武蔵野台地エリアではやや高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内及び近隣の同地形(谷底低地)に公開されたボーリング調査地点はありません。
参考までに周辺にある地形が切土地の調査地点を見てみると、表層面は問題がなさそうですが、支持層の深さは30mを超えるようです。
対象地は、沖積層エリアの谷底低地なので表層面は柔らかい可能性があり、周辺の調査から支持層が深いと推察されるので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

周囲の台地に挟まれた、昔この地を流れていた内川流域の谷底低地に位置しますが、敷地の一部に0.2mほどの浸水可能性が指摘されているにとどまります。
地形が「谷底低地」であるということは、昔から川が流れていた場所であるということです。
このような場所で、予想を超える大雨が降った場合には、ハザードマップの想定を超える浸水被害があり得ます。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2018年7月竣工の中層RC造建物(地上8階建)です。
施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「新日本建設」です。
中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

西側(幅員約7.2m~7.5m)、南側(幅員約12.2m)、北側(幅員約5.6m~6m)の3本の区道に接面している3方路地です。接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
幹線道路まで直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「南馬込4丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、南馬込4丁目は14件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。

 本マンションの総評

沖積層エリアに該当し、昔、川が流れていた谷底低地に位置します。
ボーリング調査からもあまり良くない地盤であることが推察されます。
昔の川が流れていた谷底低地なので、浸水可能性はあります。
中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いでしょう。

沖積層に該当し、ボーリング調査もあまり良くない結果なので、地盤リスクの存在を認めます。昔の川筋なので、浸水リスクがないとは言い難いのですが、浸水可能性の指摘が約0.2mに留まるので、大きなリスクはないと判断します。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。