【防災力:4】パークハウス下馬一丁目

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 パークハウス下馬一丁目

[所在地] 〒154-0002 東京都世田谷区下馬1丁目44−10

防災力 Level 4
地盤 []ボーリング調査でも埋没谷の存在が窺える
浸水 []昔の川筋に掛かり、約0.6mの浸水可能性
建物 []2002年竣工の中層SRC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約26mの台地に位置します。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.51”です。
都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
西方にある調査地点では、
深度3mでN値20を超えます。
一旦固い地層となった後、深度約7m~14mほどに上述した埋没谷の影響とみられるN値3~7の柔らかい地層が続きます。
柱状図の表記が15mまでしかなく、支持層の深さは把握できません。
表層面に問題はないようですが、埋没谷の存在が把握され、支持層の深さが不明なので、地盤が良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約0.6mの浸水可能性が指摘されています。
敷地の一部が、暗渠となっている蛇崩川の流域に掛かっているので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2002年6月竣工の中層SRC造(一部RC造)建物(地上9階建)です。
施工会社は、スーパーゼネコンの「大成建設」です。
中層SRC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。

 接面道路

北東側都道(幅員約15m)、南東側区道(幅員約11m)の2本の道路に接面する角地です。
都道と接面しているので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「下馬1丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、下馬1丁目は16件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
西方の小学校が近接しており、騒がしく感じる可能性があります。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が比較的良好な台地に位置します。
埋没谷の範囲に該当し、ボーリング調査でも埋没谷の影響がみえる場所です。
昔の川筋に掛かり、約0.6mの浸水可能性が指摘されています。
中層SRC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率が比較的良好な台地に位置しますが、埋没谷の範囲に該当し、近隣のボーリング調査地点からもその存在が窺えるため、地盤リスクは無視できません。浸水可能性の指摘もさほど大きな浸水深ではないですが、昔の川筋に掛かるので、リスク自体は顕在です。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。