【防災力:4】ライオンズガーデン目白オークレジデンス
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ライオンズガーデン目白オークレジデンス
[所在地] 〒171-0031 東京都豊島区目白4丁目25−3
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]液状化リスク、ボーリング調査も良くない |
浸水 | [3]昔の川筋に近く、約0.4mの浸水可能性 |
建物 | [5]2005年竣工の低層RC造建物 |
火災 | [3]系統連続性はやや劣る(普通) |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約30m、台地斜面に位置しますが、現況ではほぼ平坦です。
●「台地斜面」は、人工的に地盤改変を行っていることが多く、盛土や切土が混在し、地盤の良否を外形的に判断するのが難しい地形です。
●敷地の一部が、東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では「液状化の可能性がある地域」に含まれています。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.34~1.44″です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
▼表層面:深度約6m過ぎまでN値0~1の非常に柔らかい地層
▼深度8m~:N値50を超える地層
▼深度約12m~17m:N値9~19の地層が出現
⇒一度固い地層となってから再度柔らかい層が入るという「埋没谷エリア」のような地盤となっています。
▼支持層に到達するのは深度18mを超えるようです。
▼砂質の地層はありますが、N値50を超えるようなので、液状化の可能性は低いと考えます。
●この結果からは、表層地盤増幅率が低い根拠は見出せませんでした。地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●最大約0.4mの浸水可能性の指摘があります。
●対象地の北西方は、暗渠となっている谷端川の流域であり、その川筋と標高差がほとんどありません。
●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2005年1月竣工の低層RC造建物(地上4階建)です。
●施工会社は、マンション建設に実績のある「大末建設」です。
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
接面道路
●南側(幅員約4.3m)、西側(幅員約4.5m)、北側(幅員約4.2m~4.4m)の3本の区道に接面する3方路地です。区道との接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●周辺は、幅員4m~4.5mの道路がほとんどであり、系統連続性はやや劣る(普通)と判断します。ただ、幅員4m未満となる道路も少ないので、緊急車両の通行に障害はないと思います。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「目白4丁目」の地域危険度は“3”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、目白4丁目は11件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率は良好ですが、敷地の一部が「液状化の可能性がある地域」に含まれます。
●ボーリング調査も、あまり良い結果ではありません。
●暗渠となっている谷端川の川筋に近く、浸水リスクは無視できません。
●低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒表層地盤増幅率は良好なのですが、ボーリング調査があまり良くない結果なので、多少の地盤リスクの存在を認めます。昔の川筋と標高差がほとんどなく、浸水リスクも無視できないので、合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。