【防災力:5】ラ・コルダ弦巻
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ラ・コルダ弦巻
[所在地] 〒154-0016 東京都世田谷区弦巻5丁目1−8
防災力 | Level 5 |
地盤 | [4]表層地盤増幅率が良好な台地 |
浸水 | [4]地下駐車場の浸水可能性 |
建物 | [4]どっしりとした形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約45m~47mの台地に位置します。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.41”です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと、地盤が弱い(揺れやすい)とされます。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南東側隣接地にある調査地点では、
▼表層はN値3以上あるようです。
▼深度12mほどにN値1の柔らかい地層があるなど、深度13mほどまでN値10以下の地層が続きます。
▼支持層には深度15m余りで到達するようです。
●深度13m過ぎまで少し柔らかい地層が続くので、良い地盤とはいえませんが、支持層が比較的浅いので、マンション用地としては、問題が少ない場所であると考えます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の一部に約1mの浸水可能性の指摘があります。
●内水氾濫の浸水リスクにしては深いので、地形や標高をみますと、最大約1mの浸水となっている箇所は敷地の中でも最も標高が高いくらいの地点です。
●下水道台帳を確認しても、このポイントに排水管の分岐がある訳でもなく、特段の理由は見出せません。
●最大約1mの浸水と指摘されている箇所には、本件マンションの地下駐車場入口があります。
●この浸水可能性の指摘は、地下駐車場入口スロープに水が集まる可能性を指摘したものだと解釈します。
●よって、敷地全体に、大きな影響を与えることはないものと判断しますが、駐車場の車に被害が生じる可能性は否定できません。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
▼北棟(ガーデンコート):1995年(平成7年)3月竣工の地下2階地上8階建
▼南棟(フォレストコート):1997年(平成9年)2月竣工の地下1階地上12階建
●どっしりとした形状のSRC造建物2棟なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
●施工会社は、スーパーゼネコンの「大林組」、準大手ゼネコンの「三井住友建設」、中堅ゼネコンの「飛島建設」3社の共同企業体です。
●建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。
接面道路
●南西側(幅員約11m~13m)、南東側(幅員約6m~7m m)の2本の区道と接面している角地です。
●南東側接面道路は一方通行路ですが、南西側接面道路は、都道427号線へ広い幅員を保ったままアクセスできるので、系統連続性は良好と判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「弦巻5丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、弦巻5丁目は15件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”となっています。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率が良好な台地に位置します。
●ボーリング調査から、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
●敷地の一部に浸水リスクが指摘されていますが、大きな影響はないでしょう。
●どっしりとした形状建物であり、損壊リスクは低いと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒表層地盤増幅が良好な台地に位置し、ボーリング調査にも深刻なリスクは見られないので、大きな地盤リスクはないと判断します。その場所に建つ、どっしりとした形状の建物であり、損壊リスクは低いでしょう。浸水リスク及び火災リスクも低いので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。