【防災力:5】プラウド市谷仲之町ヒルトップ
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 プラウド市谷仲之町ヒルトップ
[所在地] 〒162-0064 東京都新宿区市谷仲之町2−24
防災力 | Level 5 |
地盤 | [4]ボーリング調査が比較的良好な台地 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [5]2011年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高33mほどの台地に位置します。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
●市谷仲之町付近は、1923年の関東大震災の際、推定震度が「5弱」と比較的揺れが抑えられた場所だったと推定されています。(参考資料:武村雅之名古屋大学教授「1923年関東地震による東京都中心部(旧15区内)の詳細震度分布と表層地盤構造」)
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.6”です。
●都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
●ただ、この数値を示すメッシュの範囲は、対象地の西側にある谷地が中心となっており、当該地盤増幅率は少し大きめに出ていると思います。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南側隣地にある調査地点では、
▼表層でN値4以上あるようです。
▼深度11m過ぎまでN値10以下の地層が続きます。
▼深度13mほどで支持層となるような固い地層が表出しますが、柱状図の表記が16mまでしかないので、この固い地層が支持層かどうかは把握できません。
●表層面に問題がなく、それ以降も非常に柔らかい地層は表出しないと推測されるので、地震時に揺れが大きくするようなリスクはないと考えます。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
敷地の一部に約0.2mの浸水可能性の指摘がありますが、標高や地形からみて、全体に大きな影響を与えることはないものと判断します。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2011年5月に竣工した中層RC造建物(地上7階建)です。
●施工会社は、準大手ゼネコンの「安藤建設(現:安藤・間)」です。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●北東側 (幅員約5.3m~6.1m)、北西側(幅員約6m)の2本の区道に接面する角地です。
●東方の外苑東通りへのアクセスに支障となるような箇所はありませんが、接面道路は2本とも一方通行路なので、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「市谷仲之町」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、市谷仲之町は5件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●表層地盤増幅率及びボーリング調査に大きな問題のない台地に位置します。
●大きな浸水リスクはありません。
●中層RC造建物であり、建物損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒表層地盤増幅率及びボーリング調査に大きな問題のない台地に位置するので、大きな地盤リスクはないと判断します。その地に建つ中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。浸水リスク及び火災リスクも低いので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。