【防災力:4】板橋パークホームズ
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 板橋パークホームズ
[所在地] 〒173-0004 東京都板橋区板橋2丁目19−10
防災力 | Level 4 |
地盤 | [3]ボーリング調査があまり良くない台地斜面 |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [4]概ねシンプルな形状 |
火災 | [5]接道状況及び系統連続性は良好 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約29m~31mの台地及び台地斜面に位置します。
●南側の棟は、地形的には台地斜面に位置しています。「台地斜面」は、人工的に地盤改変を行っていることが多く、盛土や切土が混在し、地盤の良否を外形的に判断するのが難しい地形です。
●敷地に多少の高低差が見られますが、大規模な擁壁等の築造もなく、傾斜地リスクは低いと判断します。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●対象地は2つのメッシュにまたがっており、それぞれの表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.36”と”1.59”となっています。
●敷地の南側が含まれるメッシュの”1.36”は、都区内で優良レベルであり、地震の際の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
●敷地の北側が含まれるメッシュの”1.59”は、都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●南側隣地付近にある調査地点では、
▼表層面に問題はないようです。
▼それ以降、段々と固い地層となりますが、深度約24m~30mにN値10前後の地層が存在します。埋没谷エリアのような状態です。
▼柱状図には深度30mまでしか表記がなく、支持層の深さは把握できません。
●北東方で近接する調査地点でも、同様の柱状図が見られます。
●表層面に問題はないようですが、地中深くに埋没谷のような柔らかい地層があり、支持層も30mより深いようなので、マンション用地として良い場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●1998年2月竣工のSRC造地下1階地上14階建です。
●施工会社は、準大手ゼネコンの「熊谷組」です。
●少し縦長ですが、概ねシンプルな形状なので、大きな建物損壊リスクはないと判断します。
●また、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。
接面道路
●西側都道(幅員約40m)、北側区道(幅員約10m)の2本の道路に接面する角地です。区道との接道部分では、敷地後退をして歩道を整備しています。
●山手通り(都道)に接面しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「板橋2丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、板橋2丁目は41件となっており、“5段階で4番目の治安が悪いレベル”です。
●山手通り及び首都高速5号池袋線に隣接しているので、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。
【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由
本マンションの総評
●地盤の良否の判断が外形的には難しい台地斜面に位置します。
●近隣のボーリング調査は、あまり良い結果ではありません。
●浸水可能性は指摘されていません。
●概ねシンプルな形状なので、大きな建物損壊リスクはないと判断します。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。
⇒周辺のボーリング調査があまり良い結果ではない「台地斜面」に位置していることから、地盤リスクを認めます。その他のリスクは低いので、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。