【防災力:3】ヒルズ久が原

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ヒルズ久が原

[所在地] 〒146-0085 東京都大田区久が原5丁目27−1他

防災力 Level 3
地盤 []液状化リスク、沖積層、埋没谷
浸水 []呑川の流域で、約0.4mの浸水可能性
建物 []シンプルとはいえない形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約6m~13m、武蔵野台地周縁の緩やかな傾斜地です。地形的には「切土地及び低地」です。
大田区が作成する「液状化可能性マップ」では「液状化危険度やや高い」エリアとされています。
対象地の一部は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。
対象地の一部は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

表層地盤の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.66”です。
都区内の武蔵野台地エリアではやや高い数値であり、地震の際の揺れが比較的大きくなる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点が3つあります。
敷地北部:深度約4mまでN値0の非常に柔らかい地層があり、その後深度13mほどまでN値10以下の地層が続きます。支持層には深度19mほどで到達します。
敷地南東部:深度約6m~8mにN値1ほどの非常に柔らかい地層があり、支持層には深度15mほどで到達します。
敷地南西部:深度約5mまでN値1以下の非常に柔らかい地層があり、支持層には深度15mほどで到達します。
以上の結果から、表層面が柔らかいので良い地盤とはいえませんが、支持層があまり深くないので、マンション用地としては悪くない場所です。

浸水リスク

敷地の一部に0.4mほどの浸水可能性が指摘されています。敷地の一部は、呑川が氾濫した場合の浸水区域に含まれます。
川の流域に接していますので、予想を超える大雨が降った場合には想定外の浸水被害が発生する可能性があります。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

壱番館:1998年11月竣工、SRC造地下1階地上15階建
弐番館:1998年11月竣工、SRC造地下1階地上14階建
参番館:1999年2月竣工、SRC造地下1階地上15階建
の3棟です。施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
建物の形状は、全体的に大きくセットバックしてあったり、H字型のようになっていたりと、シンプルな形状の建物と比較すると多少の損壊リスクを認めます。
また、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

北側(幅員約7.6m~9.4m)、東側(幅員約8.9m~9.3m)、南側(幅員約11m)、西側(幅員約6.1m~7.3m)の4本の区道に接面している4方路地です。
ほとんど国道(第二京浜)に接していますので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは非常に低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「久が原5丁目」の地域危険度は“1”(※)となっており、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、久が原5丁目は12件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”となっています。
幹線道路である第二京浜(国道1号線)に近接していることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

武蔵野台地周縁部の低地にかかる緩やかな傾斜地にあり、敷地の一部が沖積層及び埋没谷のエリアに含まれ、液状化リスクも指摘されている立地です。
表層地盤増幅率もやや高めですが、ボーリング調査結果はさほど悪くありません。
吞川の流域に接しており、想定を超える浸水被害があり得ます。
建物はシンプルな形状ではないので、多少の建物損壊リスクを認めます。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いでしょう。

沖積層・埋没谷エリアに掛かり、液状化リスクも指摘され、表層地盤増幅率もやや高めなので、地盤リスクの存在を認め、マイナス1とします。浸水リスク及び建物損壊リスクも、それぞれ大きなものではないものの存在するので合わせてマイナス1とし、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。