【防災力:3】グランクレスト上祖師谷

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 グランクレスト上祖師谷

[所在地] 〒157-0065 東京都世田谷区上祖師谷5丁目21−14

防災力 Level 3
地盤 []埋没谷エリア、盛土地
浸水 []多少大きな内水氾濫リスク
建物 []築年が少し古くなってきた低層RC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性はやや劣る
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約46m、台地上の盛土地に位置します。この盛土がどのような経緯で行われたのかにより、地盤リスクが大きくなる可能性があります。
対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

 表層地盤増幅率

対象地付近における、表層地盤(地表近くの地層)の地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.54~1.62”となっています。
都区内の武蔵野台地エリアでは標準的な数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性は低い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6″以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
南西方にある調査地点
表層面に大きな問題は見られません。
深度17m過ぎに支持層に到達するようです。
支持層が少し深いですが、埋没谷の影響も見出せませんし、大きな地盤リスクを感じるような場所ではありません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に約0.4mの浸水可能性が指摘されています。
内水氾濫としては少し大きな数値です。地形や標高から見て、敷地全体に大きな影響はないものと思われますが、浸水可能性の指摘箇所が他の更に深い浸水深の場所と繋がっているのが気になります。
また、対象地は、台地の上に盛土地に位置しています。この盛土が、昔この場所にあった池や沼などを埋めるためのものであった場合、この場所に水が集まる可能性があります。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫の被害が拡大する可能性があります。
※少し古い地図を見ると、対象地付近は「畑」であったようですが、宅地利用がされずに残っていた土地であるようです。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

1995年1月竣工の低層RC造建物(地上5階建)です。施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
低層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
ただ、建物が少し古くなってきているので、修繕等のメンテナンスがきちんと行われているかのチェックは必須です。

 接面道路

北側区道(幅員約3.9m~4m)と接面する中間画地です。接道部分は、敷地後退をして歩道を整備しています。
対象地から道路を北に抜けようとすると幅員2.7m未満の箇所があり、西に向かっても幅員3.9m未満の箇所があります。
北側接面道路が西方で接続する道路は幅員6m近くあるので、大きなリスクはないと思いますが、緊急車両の通行に支障が出る可能性を感じる立地です。
接道状況及び系統連続性は「やや劣る」と判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第9回:令和4年9月公表)」によると、「上祖師谷5丁目」の地域危険度は“3”(※)となっており、災害リスクがそれなりにある地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2022年累計」を見ると、上祖師谷5丁目は4件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”となっています。

 本マンションの総評

台地の上の盛土地に位置します。この盛土がどのような経緯で行われたのかが不明なので、地盤が良いとは判定できません。
内水氾濫としては少し大きな浸水深の指摘なので、多少のリスクを見込みます。
低層RC造建物であり、建物損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性はやや劣り、火災時の災害リスクを多少認めます。

対象地付近は、台地の上にある盛土地とちょうど重なるため、この盛土の詳細が把握できないと、地盤リスクの判定もできません。そのため、悪いという意味でのリスクではなく、不明という意味でのリスクを計上します。また、前面道路が狭小道路であるため、火災時のリスクも認めます。浸水リスクも多少感じることから、これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル3”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。