物件名　シティタワー新宿

１．大地震が発生しても安全か

[所在地] 〒160-0023 東京都新宿区西新宿５丁目２−１

標高・地形

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

●12万年前～16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際、揺れが大きくなる可能性があります。

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか？

表層地盤増幅率

●都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供：防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

ボーリング調査

●敷地付近にある公開されたボーリング調査地点では、深度8m～13mほどで、支持層となるようです。
●本件マンションの公式ホームページに「直接基礎」で施工した旨の記載があります。
●支持層が比較的浅く、「直接基礎」で施工されたようなので、地盤に問題はありません。

建物

●免震構造ですが、縦長のタワー型高層マンションです。
●タワー形状の高層マンションは、防災面からは良い点がありません。万が一、施工不良があった場合には即大きな建物損壊リスクに繋がりますし、発災後にエレベーターが動かなくなると、高層階の住民は難儀するでしょう。防犯面等のメリットはありますが、本サイトは”防災”の観点からの評価になりますので、タワー形状の高層建物というだけでマイナス評価とします。
●免震構造を採用しているので、損壊リスクは低いですが、災害リスクは残ると判断します。

【参照】タワーマンションを防災面では評価しない理由(より詳細に)
【参考】東日本大震災から学んだのは「“想定”が少ない方が安全」（免震構造についての私見が含まれます)

２．1000年に一度の大水害が発生しても安全か

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

３．その他の災害リスク

接面道路

●東側都道(幅員約25m)及び幅員約8mの区道に周囲を囲まれた独立画地です。
●十二社通り(都道)に接面しているので、系統連続性は良好です。
●接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「西新宿5丁目」の地域危険度は“３”(※)であり、災害リスクが多少残る地域であるとされています。
●ただ、対象地は、都道に接面し、周囲を道路に囲まれた独立画地なので、周辺地域の災害リスクから受ける影響は小さいと考えます。

※地域危険度は、５段階評価で１が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、西新宿5丁目は32件となっており、治安は“5段階で3番目のレベル”です。

４．本マンションの総合評価

【地震リスク】
地盤が良好な場所に建つ免震構造のマンションなので、施工不良等がない限り、建物が損壊するリスクは低いのではないかと考えますが、タワーマンション特有の災害リスクは顕在です。
【水害リスク】
神田川の氾濫浸水区域内に位置し、約1.2mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。
【その他リスク】
特段の災害リスクなし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル４”とします。
(５段階評価で５が最も安全)

《評価時点》2025年9月