【防災力:4】シティテラス目白

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族のと”財産を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 シティテラス目白

[所在地] 〒171-0033 東京都豊島区高田2丁目16−13

防災力 Level 4
地盤 []ボーリング調査から液状化の懸念
浸水 []神田川河岸と標高差があまりない
建物 []横長のどっしりした形状
火災 []系統連続性は普通
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高おおよそ11m~15mとなりますが、平均的な標高は12mほどだと思われます。
敷地のすぐ南側まで、神田川沿いの谷底低地となっています。敷地の地形は、低地から台地に続く傾斜地に造成された切土のようです。
また、200mと離れていない神田川河岸(標高約10m)と2mほどしか標高差がありません。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.36~1.39”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
敷地のすぐ南にある調査地点では、
深度3mでN値15以上あるようです。
支持層の深さは8m余りであるようです。
地下水位は約2.1mと浅く、砂質の地層が多くを占めるので、液状化の可能性があります。
東方にある調査地点では、支持層に20mでは到達しません。この地点でも、地下水位は約2.2mと浅く、液状化の可能性がみられます。
支持層は浅い可能性があるので、地盤の固さに問題はないと思いますが、液状化の懸念が残るので、地盤の良い場所とはいえません。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、対象地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

敷地の一部に最大1mほどの浸水可能性が指摘されています。
このハザードマップの浸水想定は内水氾濫の可能性だと思われますが、対象地は、神田川河岸と標高差がさほどないので、想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2008年2月竣工のRC造地上18階建です。
施工会社は、マンション建設を多く手掛ける「前田建設工業」です。
横長のどっしりした形状の建物なので、損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

北・東・南の3方を6m~7m超の区道に囲まれた三方路です。
北側及び南側接面道路は一方通行で明治通りに接続しています。
都電荒川線をまたぐとはいえ、明治通りに近接していることから、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「高田2丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、高田2丁目は22件となっており、治安は“5段階で2番目に安全なレベル”です。
西側に明治通り、東側に小学校が近接しているので、騒がしく感じる可能性があります。
また、交通量の多い明治通りに近接していることから、気管支や肺に病気を持つお子さんがいるファミリーにはお勧めできません。

【参照】幹線道路沿いの物件を勧めない理由

 本マンションの総評

神田川沿いの谷底低地から続く切土ですが、表層地盤増幅率は優良レベルです。
ボーリング調査では、液状化の可能性があるように見えます。
神田川河岸と標高差がさほどなく、敷地の一部に1mほどの浸水可能性が指摘されています。
横長のどっしりした形状の建物なので、損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。

表層地盤増幅率は優良レベルですが、ボーリング調査では液状化が懸念される結果となったので、地盤リスクは多少あると考えます。神田川河岸と標高差がさほどないので、浸水リスクは顕在です。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。