【防災力:4】ザ・パークハウス山吹神楽坂

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ザ・パークハウス山吹神楽坂




[所在地] 〒162-0801 東京都新宿区山吹町297−6

防災力 Level 4
地盤 []表層地盤増幅率及びボーリング調査が良好
浸水 []氾濫浸水区域内で、約2.8mの浸水可能性
建物 []全体的にはどっしりとした形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高は約5m、神田川流域である谷底低地に位置します。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.34”です。
都区内で優良レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある複数の調査地点では、ほとんどの地点で、支持層となる固い地層に深度約4m~5mで到達します。
表層面は柔らかいものの、マンション適地といえる場所です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大2.8m程度の浸水可能性が指摘されています。
対象地は、赤い線で表示される「神田川が氾濫した場合の浸水区域」内に位置し、河岸と標高差がありません。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2017年11月竣工のRC造建物(地上13階建)です。
施工会社は、準大手ゼネコンの「熊谷組」です。
東側の準工業地域に掛かる部分の建物の形状が少し複雑なのが気になります。
ただ、東側の部分は、高い部分で9階と中層レベルの建物なので、大きな損壊リスクには繋がらないと判断します。

 接面道路

西側(幅員約20m)、北西側(幅員約4.5m)の2本の区道に接面する角地です。
都道へのアクセスは容易であり、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「山吹町」の地域危険度は”2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、山吹町は13件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

沖積層の堆積エリアに該当しますが、表層地盤増幅率は優良レベルです。
周辺のボーリング調査結果から、大きな地盤リスクはないと判断します。
氾濫浸水区域内で、約2.8mの浸水可能性が指摘されています。
全体的にはどっしりとした形状の建物であり、大きな損壊リスクはないと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率は優良レベルで、周辺のボーリング調査も良好なので、地盤リスクは低いと判断します。神田川の氾濫浸水区域内で、約2.8mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは大きいです。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。