【防災力:4】ファミール明大前
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ファミール明大前
1.大地震が発生しても安全か
| 対地震 | Level 5/5 (リスク小) |
| 地盤ハザード | [5/5]該当なし |
| 地盤増幅率 | [5/5]最高レベル |
| ボーリング | [4/5]概ね良好 |
| 建物 | [4/5]2000年竣工の中層RC造建物 |
| 【対地震の評価】 [地盤] ●表層地盤増幅率が都内最高レベルで、ボーリング調査でも、支持層が比較的浅いことが把握できるので、概ね良好な地盤といえるでしょう。 〔建物〕 ●2000年竣工の中層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。 〔対地震総評〕 ●概ね良好な地盤といえる場所に建つ中層RC造建物なので、大きな地震の際でも被害が発生する可能性は低いでしょう。 |
[所在地] 〒156-0043 東京都世田谷区松原1丁目35−21
標高・地形
| 標高 | 約40m~43m |
| 地形 | 谷状の切土地 |
●地形的には「切土地」ですが、東西の台地に挟まれた谷状の場所です。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
地盤ハザード(災害危険)エリア
| 液状化 | 該当なし |
| 沖積層 | 該当なし |
| 埋没谷 | 該当なし |
| 急傾斜等 | 該当なし |
表層地盤増幅率
| 表層地盤増幅率 | 1.08 |
●都区内で最高レベルであり、地震時の揺れが小さくなる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
ボーリング調査
●敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
▼深度11mほどまでは、N値4以下の柔らかい地層が続きます。
▼支持層の深さは12mほどのようです。
●支持層が比較的浅いので、マンション用地としては大きな問題のない場所です。
建物
| 築年 | 2000年3月竣工 |
| 構造 | RC造地上5階建 |
| 施工会社 | 前田建設工業 |
| その他 | - |
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か
| 対水害 | Level 3/5 (浸水リスク有) |
| 標高 | 約40m~43m |
| 地形 | 谷状の切土地 |
| 浸水深 | [内水氾濫等]約0.5m |
| 【対水害の評価】 [標高・地形] ●標高約40m~43mの谷状の切土地に位置します。 〔浸水深〕 ●最大約0.5mの浸水可能性が指摘されています。 〔対水害総評〕 ●敷地の西側付近に最大約1mの浸水可能性が指摘されています。これは、低い場所を走る井の頭線の線路周辺に水が集まることを想定したものでしょう。 ●また、敷地の中央付近にも0.5mほどの浸水可能性が指摘されています。 ●東西の台地に挟まれた谷状の場所に位置し、約0.5mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクを無視できません。 ●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性のある立地です。 |

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
3.その他の災害リスク
| その他 | Level 3/5 (災害リスク有) |
| 接道状況 | 普通(接面道路幅員約5.2m~6m) |
| 系統連続性 | やや劣る |
| 地域危険度 | 災害リスクが大きい地域 |
| その他 | - |
接面道路
●東側で区道(幅員約5.2m~6m)に接面している中間画地です。
●北方の甲州街道から敷地へのアクセスには、井の頭線の高架下をくぐらなくてはならず、当該箇所は制限高2.3mとなっているので、救急車両は通行できません。
●南方は、細街路とまではいかないものの、幅員5mを保ったまま幹線道路にアクセスできる道路はないようなので、系統連続性は「やや劣る」と判断します。
●ただ、幅員4mを切ることもないので、防災上大きなリスクには繋がらないと判断しますが、火災時の災害リスクがないとはいえないです。
地域危険度調査
●東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「松原1丁目」の地域危険度は”4”(※)であり、災害リスクが大きい地域であるとされています。

※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
●「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、松原1丁目は54件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。
●井の頭線沿い、かつ京王線も近接していることから、騒がしく感じることがあるかもしれません。
4.本マンションの総合評価
| 総合 | Level 4/5 |
| [対地震] | Level 5/5 (リスク小) |
| [対水害] | Level 3/5 (浸水リスク有) |
| [その他] | Level 3/5 (災害リスク有) |
【地震リスク】
概ね良好な地盤といえる場所に建つ中層RC造建物なので、大きな地震の際でも被害が発生する可能性は低いでしょう。
【水害リスク】
東西の台地に挟まれた谷状の場所に位置し、約0.5mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクを無視できません。
【その他リスク】
系統連続性にやや問題があり、緊急車両の接近に時間がかかる可能性があります。
⇒水害リスクや系統連続性の問題は、それぞれ深刻なレベルではないので、防災力を“レベル4”とします。
(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。
《評価時点》2025年11月
