【防災力:5】ガーデンコート成城

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることができる不動産なのか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ガーデンコート成城

 

1.大地震が発生しても安全か

地震に比較的強い

対地震 Level  4/5 (大きなリスクなし)
地盤ハザード [3/5]「埋没谷」に該当
地盤増幅率 [1/5]やや高い
ボーリング [4/5]深刻な問題なし
建物 [4/5]どっしりとした形状
【対地震の評価】
地盤
台地に位置し、ボーリング調査で、浅いうちに固い地層となることが推察できるので、大きな問題のない地盤といえるでしょう。
建物
どっしりとした形状なので、建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
〔対地震総評〕
大きな地盤リスクがないと推察される場所に建つ、どっしりとした形状の建物なので、地震の際に大きな被害が生じる可能性は低いと判断します。

[所在地] 〒157-0066 東京都世田谷区成城8丁目23−21

標高・地形

標高 約45m
地形 台地

周辺にも台地が広がる、いわゆる「高台の平坦地」です。


※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

地盤ハザード(災害危険)エリア

液状化 該当なし
沖積層 該当なし
埋没谷 範囲に該当
急傾斜等 該当なし

敷地の一部が、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。

【参照】地下に「埋没谷」があると、何が悪いのか?

表層地盤増幅率

表層地盤増幅率 1.69

標準よりやや高い数値であり、地震時の揺れが大きくなる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。


※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

ボーリング調査

敷地内にある公開されたボーリング調査地点では、
深度10m余りでN値50超となった後、深度12mほどでN値20の地層が混在します。
支持層の深さは、16mほどのようです。
深度12mほどの地層は、埋没谷の影響の可能性がありますが、N値20あるので、大きなリスクにならないと考えます。
周辺にある多くの調査地点では、概ね同様の地盤で、支持層の深さは17m~18mほどのようです。ただ、北方にある地点では、深度25mを過ぎても支持層に到達しないようです。
比較的浅いうちに固い地層となるので、大きな地盤リスクはないと判断します。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

建物

築年 2002年11月竣工
構造 RC造地下1階地上10階建
施工会社 清水建設
その他

どっしりとした形状の建物なので、損壊リスクは低いでしょう。

2.1000年に一度の大水害が発生しても安全か

対水害 Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
標高 約45m
立地 台地
浸水深 [内水氾濫等]約0.4m
【対水害の評価】
標高・立地
標高約45mの台地に位置します。
浸水深
敷地の一部に約0.4mの浸水可能性の指摘があります。
〔対水害総評〕
南側にある「サクラピア成城」の敷地周りのお堀辺りに、約2.8mの浸水可能性が指摘されているのが気になります。下水道台帳を確認しても、ここが合流地点になっている訳ではないので、「サクラピア成城」のお堀に水が集まるという判断なのでしょう。
このお堀に水が溜まり、対象地に約0.4mの浸水という影響を与えるという想定なのだと推測します。
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと判断します。
想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。


※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

3.その他の災害リスク

その他 Level  4/5 (大きな災害リスクなし)
接道状況 良好(接面道路幅員約8m)
系統連続性 普通
地域危険度 災害に強い地域
その他

接面道路

北側(幅員約6m)、東側(幅員約8m)、南側(幅員約5.9m)の3本の区道と接面する3方路地です。
敷地周辺は、十分な幅員を有する道路ですが、幹線道路まで直線的にアクセスできる道路はないため、系統連続性は普通と判断します。
接道状況及び系統連続性に問題はないので、火災時の災害リスクは低いでしょう。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「成城8丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。


※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2024年累計」を見ると、成城8丁目は13件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

4.本マンションの総合評価

総合 Level  5/5
[対地震] Level  4/5 (大きなリスクなし)
[対水害] Level  4/5 (大きな浸水リスクなし)
[その他] Level  4/5 (大きな災害リスクなし)

地震リスク
大きな地盤リスクがないと推察される場所に建つ、どっしりとした形状の建物なので、地震が発生しても大きな被害が生じる可能性は低いと判断します。
水害リスク
標高や地形からみて、大きな浸水リスクはないと判断します。
その他リスク
大きなリスクを感じるような要素なし

⇒これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル5”とします。
(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。

評価時点》2025年10月