【防災力:5】プラウド練馬早宮
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 プラウド練馬早宮
[所在地] 〒179-0085 東京都練馬区早宮3丁目33−12
防災力 | Level 5 |
地盤 | [4]傾斜地、表層地盤増幅率は良好 |
浸水 | [4]大きな浸水リスクなし |
建物 | [4]1階レベルに段差がある低層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性は普通(やや劣る) |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約33m~38m、台地の縁にある傾斜地(地形的には切土地)に位置します。
●傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
●「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.49”です。
●都区内では低い数値であり、地震の際の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内にある2ヵ所の公開されたボーリング調査地点を見ると、
●周辺にある調査地点では、
▼深度8m過ぎまでところどころにN値2の柔らかい地層が存在します。
▼深度12m~19mほどで支持層に到達するようです。
●深度8m過ぎまで柔らかい地層が混在するので、地盤が良い場所とはいえませんが、支持層の深さは十数mと推察され、さほど深くないので、マンション用地として問題の少ない場所といえます。
浸水リスク
敷地の一部に0.2mほどの浸水可能性が指摘されていますが、標高や地形からみて、敷地全体に大きな影響はないものと考えます。
※想定を超える大雨が降った場合には、内水氾濫が拡大する可能性があります。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2005年11月竣工の低層RC造建物(地上4階建)です。
●施工会社は、中堅ゼネコンの「鴻池組」です。
●敷地の高低差に合わせて、南側の棟の1階レベルに段差があります。
●平坦地にある建物と比較すると、多少の損傷リスクを認めますが、低層RC造建物なので、大きな損壊リスクには繋がらないでしょう。
接面道路
●北側区道(幅員約5.1m~6m)と接面する中間画地です。
●5m超の幅員を保ったまま幹線道路までアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通(やや劣る)と判断します。
●ただ、経路中に幅員4mを切る箇所もないので、緊急車両の通行には支障がないと判断します。
●敷地の一部(北東部)を削る形で、「東京都市計画道路補助線街路放射第172号線」の整備が進められており、事業完了(開通)すると幅員約16mの道路となります。
●開通すると、環八通りとの接続が容易となるので、系統連続性は良好となります。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「早宮3丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、早宮3丁目は10件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●台地の縁にある傾斜地に位置します。
●ボーリング調査からは、大きな地盤リスクの兆候は見出せませんでした。
●大きな浸水リスクはないでしょう。
●敷地の高低差に合わせて1階レベルに段差がある建物なので、多少の損傷リスクを認めます。
●系統連続性は普通(やや劣る)ですが、緊急車両の通行に支障はないと思われるので、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒台地の縁にある傾斜地に位置しますが、大規模な擁壁等の築造は視認できず、大きな傾斜地リスクはないと判断します。建物は敷地の高低差に合わせて1階レベルに段差がありますが、低層RC造建物なので、大きな損壊リスクはないと判断します。地盤リスクも建物損傷リスクもないとはいえないのですが、それぞれ大きなものではないので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。