【防災力:4】ブリリアシティ石神井公園アトラス
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ブリリアシティ石神井公園アトラス
[所在地] 〒177-0044 東京都練馬区上石神井3丁目19
防災力 | Level 4 |
地盤 | [4]地盤増幅率及びボーリング調査が比較的良好 |
浸水 | [3]石神井川沿いで約0.6m浸水可能性 |
建物 | [5]2023年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約43m~44m、石神井川沿いの谷底低地に位置します。
●東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」では、敷地の北東部が「液状化の可能性がある地域」に該当します。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
※ 東京都建設局 → [東京の液状化予測図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.39~1.54″です。
●都区内では比較的低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性がある場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
周辺のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●北方で隣接する調査地点では、
▼深度7mほどでN値30を超えます。
▼それ以降、N値10~20の少し柔らかい地層を挟むものの、深度17mほどで支持層となるようです。
▼地下水位は浅いですが、浅い部分に柔らかい砂質の地層は見られないので、液状化の可能性は大きくないと考えます。
●本件マンションの公式ホームページに「約13m~21mの支持杭を打設」との表記があります。
●比較的浅いうちに固い地層となり、支持層もさほど深くはないようなので、マンション用地として大きな問題のない地盤です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
浸水リスク
●敷地の一部に最大約0.6mの浸水可能性が指摘されています。
●対象地は、石神井川沿いかつ標高が48m以上ある南北の台地に挟まれている谷地である上に、敷地の西側は「石神井川が氾濫した場合の浸水区域」に掛かっています。
●想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性のある立地です。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2023年9月竣工の中層RC造建物(地上8階建)です。
●施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●西側(幅員約8.3m~8.7m)、北側(幅員約8m~9.7m)、南東側(幅員約10m~12m)、南西側(幅員不明)の4本の区道に周囲を囲まれた4方路地(独立画地)です。
●南方にある新青梅街道(都道)まで距離は近いですが、広い幅員を保ったまま直線的にアクセスできる道路はないので、系統連続性は普通とします。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「上石神井3丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、上石神井3丁目は10件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●谷底低地に立地しますが、表層地盤増幅率及びボーリング調査は比較的良好です。
●石神井川沿いで、約0.6mの浸水可能性が指摘されています。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒表層地盤増幅率及びボーリング調査が比較的良好なので、大きな地盤リスクはないと判断します。石神井川沿いの谷地で、約0.6mの浸水可能性が指摘されているので、浸水リスクは顕在です。よって、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。