【防災力:3】ヴェレーナ王子

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ヴェレーナ王子

[所在地] 〒114-0003 東京都北区豊島5丁目2−26

防災力 Level 3
地盤 []表層地盤増幅率が非常に高い、軟弱地盤に近い
浸水 []荒川氾濫3m未満の浸水可能性
建物 []概ねシンプルな形状
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約5m~6m、隅田川沿いの低地帯に位置します。
対象地は、最も新しい地層である「沖積層」の堆積エリアに含まれます。沖積層は、まだ固まり切っていない軟弱な地層であり、地震時に揺れやすい傾向があります。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”2.22”です。
非常に高い数値であり、大地震時に震度7となる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内にあるボーリング調査地点では、
深度16m過ぎまでN値0~2の非常に柔らかい地層が続きます。
支持層の深さは20m余りのようです。
周辺にある調査地点では、
深度18mほどまでN値0~2の非常に柔らかい地層が続いています。
支持層の深さは22m~28mほどのようです。
深度十数mまで非常に柔らかい地層が続くので、「軟弱地盤」に近いです。

浸水リスク

荒川の氾濫では、0.5m~3m未満の浸水可能性が指摘されています。
対象地は、隅田川河岸に位置します。昨今「想定外」の災害が毎年のように起きていることを想起しますと、ハザードマップの想定を超える事態はあり得ます。

【北区洪水ハザードマップ】

※ 荒川が氾濫した場合の浸水想定区域図

 建物

2012年3月竣工のSRC造地上20階建です。
施工会社は、大手ゼネコンの「長谷工コーポレーション」です。
少し階層は高いですが、概ねシンプルな形状なので、建物自体の損壊リスクは低いでしょう。

【参照】耐震等級“1”のマンションは震度7に耐えられない?

 接面道路

西側で公道に接面する中間画地です。前面道路は、十分な幅員があります。
周辺の幹線道路との接続は容易なので、系統連続性は良好です。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「豊島5丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、豊島5丁目は62件となっており、治安は“5段階で最悪レベル”です。

 本マンションの総評

「沖積層の堆積エリア」に該当する、隅田川沿いの低地帯に位置します。
表層地盤増幅率は非常に高い数値です。
ボーリング調査では、柔らかい地層が深度十数mまで続く、「軟弱地盤」に近い地盤であることが把握できます。
荒川氾濫により3m未満等の浸水可能性が指摘されています。
建物自体の損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

沖積層エリアに該当する、隅田川沿いの低地帯に位置し、表層地盤増幅率が非常に高い上に、ボーリング調査も良くない、「軟弱地盤」に近い場所なので、地盤リスクは大きいです。荒川氾濫リスクがあるので、浸水リスクも顕在です。これらを総合的に勘案し、防災力を“レベル3”とします。 (5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。