【防災力:4】藤和上石神井ホームズ

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 藤和上石神井ホームズ

[所在地] 〒177-0044 東京都練馬区上石神井4丁目32−22

防災力 Level 4
地盤 []傾斜地
浸水 []石神井川に近接し、約0.2mの浸水可能性
建物 []2001年竣工の中層RC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高約48m~50m、石神井川流域の谷底低地に位置する傾斜地です。
傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.49″です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
北西側隣地にある調査地点では、深度5mほどでN値20を超えますが、支持層は20mより深いようです。
表層面に問題がなく、支持層は深いものの、比較的浅い部分からそれなりに固い地層となるので、地震時に揺れが大きくなるようなリスクは低いでしょう。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。

浸水リスク

最大約0.2mの浸水可能性が指摘されています。
対象地は、石神井川の河岸に近接しています。
想定を超える大雨が降った場合には、浸水被害が拡大する可能性がある立地です。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2001年3月竣工の中層RC造建物(地下1階地上7階建)です。
施工会社は、当時中堅ゼネコンクラスであった「東海興業」です。東海興業は、1997年7月に会社更生法を申請、2005年3月に更生手続きが終結したものの、2013年4月に民事再生法を申請することとなっています。
本件建物の施工期間は、東海興業が更生中の時期と重なります。資金繰りが逼迫した申請前の時期と異なり、経営を再建し更生手続きを終結させる途上の時期は施工に問題がない可能性が高いと推測し、特にマイナスは認めません。
建物は少し複雑な形状ですが、中層RC造建物なので、損壊リスクは低いと判断します。

 接面道路

西側区道(幅員約6m~6.3m)に接面する中間画地です。
新青梅街道(都道)との接続は容易なので、系統連続性は良好とします。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「上石神井4丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、上石神井4丁目は13件となっており、治安は“5段階で2番目に安心なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率は良好ですが、石神井川流域の谷底低地に位置する傾斜地です。
周辺のボーリング調査からは、大きな地盤リスクの兆候は見出せません。
石神井川に近接しており、想定を超える浸水被害は起こり得ると考えるべきです。
中層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いと判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

石神井川に近接した谷底低地に位置する傾斜地であり、ボーリング調査に深刻なリスクは見出せないものの、地盤リスクを多少見込みます。河岸からは高い位置にあるので、大きなリスクはないと思いますが、川が近いので浸水リスクも無視できません。これらを足してマイナス1とし、防災力を“レベル4”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。