【防災力:5】ザ・パークハウス上鷺宮

「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。

物件名 ザ・パークハウス上鷺宮

[所在地] 〒165-0031 東京都中野区上鷺宮3丁目8−22

防災力 Level 5
地盤 []表層地盤増幅率及びボーリング調査が良好
浸水 []大きな浸水リスクなし
建物 []2015年竣工の低層RC造建物
火災 []接道状況及び系統連続性は良好
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら)

 標高・地形

標高42m~44mの台地に位置します。
「液状化」「埋没谷」等の地盤ハザードエリアに該当しません。

※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]

 表層地盤増幅率

表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.45~1.48”です。
都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。

※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]

【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)

近隣のボーリング調査

敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
周辺にある調査地点では、
深度10mほどでN値1~2の地層が入る地点があります。
深度11m~12mで支持層レベルの固い地層となるようです。
本件マンションの公式ホームページに、杭を使わないで地面に直接基礎を構築する「直接基礎」を採用している旨の記載があります。
支持層が浅く、直接基礎が採用できるくらいなので、マンション適地です。

浸水リスク

敷地の一部に最大0.4mほどの浸水可能性が指摘されています。
内水氾濫の指摘としては、少し大きな数値です。敷地の北西部は、周辺の土地と比較して僅かに窪んでいるので、上記のような指摘がされているのだと理解します。
ただ、対象地は、北側接面道路から土地レベルを少し高くしているので、敷地全体に大きな影響を及ぼすことはないと判断します。

※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]

 建物

2015年2月竣工の低層RC造建物(地下1階地上3階建)です。
施工会社は、マンション建設に実績のある「東亜建設工業」です。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。

 接面道路

北側、西側、東側の3本の区道と接面する3方路地です。中野区は当該区道の幅員情報を公開していないので、区道の詳細な幅員は不明ですが、問題のない広さの道路です。
接道部分では、敷地後退をして歩道を整備している他、南側の土地の一部を公開空地として提供しています。
接面道路は一方通行路ですが、千川通り(都道439号線)との接続は容易なので、系統連続性は良好と判断します。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

地域危険度調査

東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「上鷺宮3丁目」の地域危険度は“2”(※)であり、災害に比較的強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。

周辺環境他

「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、上鷺宮3丁目は6件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。

 本マンションの総評

表層地盤増幅率が良好な台地です。
周辺のボーリング調査からも、マンション適地であると推察されます。
敷地の一部に最大0.4mほどの浸水可能性が指摘されていますが、建物部分に大きな影響を及ぼすことはないものと判断します。
低層RC造建物なので、損壊リスクは低いです。
接道状況及び系統連続性は良好であり、火災時の災害リスクは低いです。

表層地盤増幅率が良好な台地に位置し、ボーリング調査も問題なく、地盤リスクという面では、都区部最小レベルだと思います。浸水リスクも、敷地の周縁部といっていい場所への指摘があるだけなので、敷地全体に大きな影響を及ぼすことはないと判断します。建物損壊リスク及び火災リスクも低いので、防災力を“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)

≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。