【防災力:5】ザ・パークハウス東雪谷
「東南海トラフ地震」「首都直下地震」等の大地震や、千年に一度といわれるような「スーパー台風」「線状降水帯豪雨」等の大水害等に遭遇しても、家族の”命”と”財産”を守ることのできる可能性が高い不動産であるか否かを簡易評価します。
災害に強い不動産は資産性も保たれます。
※建物が壊れたら資産性どころの話ではないので。
物件名 ザ・パークハウス東雪谷
[所在地] 〒145-0065 東京都大田区東雪谷4丁目21−21
防災力 | Level 5 |
地盤 | [4]ボーリング調査に問題なし |
浸水 | [5]浸水可能性の指摘なし |
建物 | [5]2012年竣工の中層RC造建物 |
火災 | [4]系統連続性は普通 |
※5段階評価で5が最も安全(判断基準はこちら) |
標高・地形
●標高約23m~26m、地形的には台地の端にある切土地に位置する、高低差3mほどの傾斜地です。
●傾斜地の場合、表層面が高い方から低い方へと動こうとする自然の力が働きます。そのため、長い年月の間に地面がずれることがありえます。コンクリートでガチガチに固めているので問題ないと見る向きもありますが、平坦地と比較したら、地盤リスクがないとはいえません。
●また、接面道路との境界に高低差があるため擁壁を設置しており、擁壁も築年が古くなると補修が必要となります。修繕費用(保守管理費用)が必要というコスト面の問題だけでなく、メンテナンスしないと地盤リスクが高くなる土地ということもできます。
●ただ、擁壁はさほど大規模なものではなく、傾斜地としてのリスクは顕在ですが、防災レベルを下げるほどの大きなリスクはないと判断します。
●対象地は、12万年前~16万年前に作られたという「埋没谷(東京層下部基底面)」の範囲に該当しますので、大地震の際の揺れが大きくなる可能性があります。
※ [国土地理院地図] → [土地の成り立ち・土地利用] → [土地条件図]
表層地盤増幅率
●表層地盤における地震時の揺れの大きさを示す地盤増幅率は”1.48″です。
●都区内では低い数値であり、地震時の揺れが小さく抑えられる可能性が高い場所です。
※地盤増幅率が”1.8”以上だと地盤が弱い(揺れやすい)とされます。推奨レベルは”1.6”以下です。
※ [J-SHIS Map(提供:防災科学技術研究所)] → [表層地盤]
【参照】高台立地が原則だが、高台でもダメな場所がある(J-SHIS Mapの見方)
近隣のボーリング調査
●敷地内に公開されたボーリング調査地点はありません。
●近隣にある調査地点では、表層でN値が3~6あり、深度13mほどで支持層に足る固さの地盤に到達します。
●ただ、当該地点の柱状図の表記は深度15mまでであり、支持層か否かの判断はできません。
●表層面に問題なく、比較的浅いうちに固い地層に到達するので、大きな地盤リスクはないと判断します。
●また、対象地は埋没谷エリアに該当していますが、深い部分の地層は把握できなかったため、埋没谷の影響は不明です。
※地層は、数メートル離れただけで大きく変わることがあるので、購入の際には、当該地の地盤調査報告書を取り寄せましょう。
※対象地や隣接地のボーリング調査の結果等が明らかになり地盤への埋没谷の影響が判明した場合には、地盤リスクの評価を見直す可能性があります。
浸水リスク
浸水可能性は指摘されていません。
※ [東京都建設局 浸水予想区域図] → [浸水リスク検索サービス]
建物
●2012年6月竣工の中層RC造建物(地下1階地上7階建)です。
●施工会社は、準大手ゼネコンの「東急建設」です。
●中層RC造建物なので、損壊リスクは低いでしょう。
接面道路
●南東側(幅員約6m)、北東側(幅員約6m)の2本の区道に接面している角地です。
●南東側道路は一方通行路であること、及び幹線道路まで直線的にアクセスできる道路がないことから、系統連続性は普通と判断します。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
地域危険度調査
東京都の「地震に関する地域危険度測定調査」によると、「東雪谷1丁目」の地域危険度は“1”(※)であり、災害に強い地域であるとされています。
※地域危険度は、5段階評価で1が最も安全であることを示しています。
周辺環境他
「警視庁犯罪情報マップ」の「全刑法犯発生数2023年累計」を見ると、東雪谷4丁目は10件となっており、治安は“5段階で1番安全なレベル”です。
本マンションの総評
●埋没谷エリアに該当し、台地の端に位置する傾斜地です。
●ボーリング調査は、悪くない地盤であると推察されます。
●浸水可能性は指摘されていません。
●中層RC造建物なので、建物損壊リスクは低いでしょう。
●接道状況及び系統連続性に問題はなく、火災時の災害リスクは低いと判断します。
⇒埋没谷エリアに該当する傾斜地ですが、近隣のボーリング調査からは大きな地盤リスクの兆候は見出せなかったので、大きな地盤リスクはないのではないかと推察します。傾斜地としてのリスクも、それ単独で防災レベルを下げるほどではないと判断します。その他のリスクも低いので、防災力は“レベル5”とします。(5段階評価で5が最も安全)
≪注意事項≫
1. 本件評価は、不動産鑑定評価の手法に則ったものではありません。公開された情報のみを根拠とした「簡易評価」であり、実際に購入の判断をする際には、より詳細な調査が必要となります。
2. 本件評価の「リスク評価」は相対的なものです。防災上、“絶対に安全”といえる立地はありません。
3. 本件評価により損害や紛争が発生した場合でも、当社は責任を負いません。